インターネットが発達したこのご時世、「調べる力」が以前に増して重要になってきているのは間違いないですよね。
一方で機械ではなく人間を頼る「尋ねる力」の重要性は、いくら時代が進んでも変わらないはず。
このふたつの力をまとめると「質問力」と言えますが、この「質問力」格差が人によってどんどん開いてるなと実感する今日このごろ。
「質問力」の高い人は、その「調べる力」で自己成長を促し、「尋ねる力」で良好な人間関係を築きながら情報を得ることができます。
逆に「質問力」が低い人は、有益な情報にリーチできずに損をして、しかも質問をした相手に迷惑までかけてしまいます。
あなたは他人に、Googleに、上手に質問できてますか?
もくじ
調べる力の良い例
ぼくはいまアフリカのルワンダに住んでいます。ありがたいことに、これまでたくさんの方が、このブログを見てわざわざルワンダまで会いに来てくださいました。
その中で「調べる力」がすごいなと思ったのが大学生のAくん。
日本からルワンダまでの飛行機代は、往復10万円以上。大抵の学生さんは一生懸命バイトをしたり、ご両親に頭を下げたりして、この費用を捻出しています。
でも、Aくんは大学から奨学金をもらってルワンダまで来ていたんです。
Aくんはこういった奨学金制度を活用して何度か海外に行っているため、友人から「奨学金マニア」と揶揄されることもあるんだとか。
でも、もちろんタダでお金がもらえるわけではなく、Aくんは学内の選考を突破してこの奨学金を獲得しています。
ふつうの学生であれば、おそらくこんな制度があることすら知らないのではないでしょうか。
どんな制度があるのか、どうやったら応募できるのか、どうやったら合格できるのか、こういったことを調べるのには大変な労力がいります。
ルワンダまで自力でやってきたAくんはほんとに立派ですが、それも彼が「調べる力」を駆使していたからこそなんですね。
そしてAくんがルワンダをまわって、新たな体験をして、さらに一段階成長したであろうことは容易に想像ができます。
調べる力の高め方・検索のコツ
じゃあどうやったらAくんのように「調べる力」を高めることができるんでしょうか。
専門家でもないぼくが語っても蛇足になるので、個人的に大事だと思うことだけさらっと書いておきます。
まずは「検索」。基本的にはGoogleで、リアルタイム性が重要なものはTwitterで、ファッション性が高いものはインスタで検索しています。
それから検索するうえで大事なのが、「検索ワードの選定」。Googleは「関連キーワード」を表示してくれるので、それをたどっていけば大体目的のページまでたどり着けると思います。
なかなかいい検索結果が出てこないときは「ワードの言い換え」が必要なので、語彙力がある人や、答えのあるページに含まれるであろうキーワードを逆算する想像力が高い人が有利ですね。
あとは「ほかの言語で検索してみる」とか。いまは「Google翻訳」などのツールもだいぶ精度が上がってるので、語学力に自信がない人でもこの方法は使えるんじゃないでしょうか。
概して「わからないことがあったらすぐに自分で調べる」という行為が習慣化してる人は強いと思います。
尋ねる力の悪い例
こんどは「尋ねる力」の悪い例。
ブログを通じてルワンダや青年海外協力隊のことなど質問をいただくことがあるんですが、その尋ね方があまりにも雑でがっかりしてしまうことがまれにあります。
たとえば、「○○の記事を見てご連絡しました。△△はどうすればいいですか?」という質問。
その△△情報、あなたが見たという○○の記事に、思いっきり書いてありますからぁあぁ……!!残念ッッ!!(©波田陽区)
そりゃ大抵の人がぼくのブログをななめ読みしてることぐらい承知してますし、ぼくだって他人のブログを読むときは隅々まで読んだりしません。
でも「どうやったらその情報見落とせるの!?」ってレベルの質問があるんですね……。それはさすがにどうなのと思うわけです。
あと、検索すれば5秒で分かることをわざわざ質問してくる人とか。絶対自分で調べた方が早いのに……。
ぼくはこんな人たちとお近づきになりたいとは思いません。
なぜなら、こういう尋ね方をする人からは、「他人の時間を奪うことに対する配慮」を感じないから。
オーストラリアのマリオおじさん
「他人の時間を尊重することの大切さ」を実感したエピソードがあります。大学生のころ、オーストラリアで二週間ほどファームステイをしたときのこと。
ある日ホストマザーの友人(仮に「マリオ」とします)が、「うちにご飯食べにおいでよ」と誘ってくれたので遊びに行くことに。
その家は遠かったので、帰りはホストマザーの弟(仮名「ワリオ」)が車で迎えに来てくれることになりました。
帰る時間になり、待ち合わせ場所まで向かうぼく。マリオも見送りに着いてきてくれました。
しかし一向に迎えに来ないワリオ。1時間ほど経ったとき、いっしょに待ってくれていたマリオがこう言いました。
「ワリオ、全然来ないけどこれは良くないな。人の時間を盗むやつはドロボウと一緒だよ」
「でもマリオまで一緒に待たせちゃってごめんね」
「おれは良いんだよ。自分でノリといっしょに待つことを選んだんだから。でもノリはワリオに待たされることを選んだわけじゃないだろ?」
マリオ、イケメンすぎます。マンマミーアです。
結局しばらくしてワリオは迎えに来てくれましたが、いまでも印象深いのは初対面の外国人にそこまで親身になってくれたマリオのやさしさでした。
それ以来、マリオのように「他人の時間を尊重できる大人になろう」と思うようになったのです。
ありがとう、マリオ(マリオじゃないけど)。
他人の時間をむげに奪わないで
「尋ねる力」に話を戻すと、尋ね方が雑な人は「相手の時間を奪っている」っていう意識がないんですよね。それじゃワリオとおなじです。
質問されたからには、できる限り実のある返事をしたいと思うもの。でもその質問があまりにも抽象的すぎたり、的外れだったりすると、その分だけ返事を考える時間と労力が消費されてしまいます。
たとえば外国人の友だちに「こんど日本に行くからおすすめ教えて」とか言われたら途方に暮れますよね。何についてのおすすめかもわからないし、範囲が広すぎるので答えようがありません。
じゃあ「上手な質問」とはどんなものなんでしょうか。
上手な質問のコツ
個人的に答えやすいと思う「尋ね方」のポイントはふたつ。
①具体的に聞くこと
②すでに知っている情報の範囲を共有すること
具体的に聞く
まずは具体的に聞くこと。
さっきの「日本のおすすめ教えて」の例だと範囲が広すぎるので、「新宿で1000円くらいで食べられるお洒落なランチ知らない?」とかだと答える方も楽ですよね。
すでに知っている情報の範囲を共有する
つぎに、知っている情報の範囲を共有すること。これは「相手の手間を省く」という点で重要ですよね。
「新宿で1000円くらいで食べられるお洒落なランチ知らない?」と聞かれて、「○○はどう?」と提案して「あーそこはもう行ったことあるから別のところがいいなー」とか言われたら「それ先に言えよ」ってなりますよね。完全な二度手間です。
以前某テレビ局の制作会社から「ルワンダ在住の日本人を複数名紹介してほしい」という依頼がありました。なので何名かの方に声をかけたら、Bさんから「すでにほかのところから同じ話を頂いてます」というお返事が。
事前に制作会社が「Bさんにはすでにお声掛けしてるので、ほかの方をご存じであれば教えてください」と聞いてくれていたらその手間をかけずに済んだんですけどね。Bさんにも若干気まずい思いをさせちゃったし。
それでぼくのその会社に対する印象はものすごく悪くなりました。
だから、「尋ねる力」って良好な人間関係を築くうえでものすごく大事なんですよね。
すくなくともぼくは、相手に丸投げするような質問をしてくる人の力になりたいとは思いません。
でも「ここまでは調べたんだけど、ここからがわからなくて……」という尋ね方の人であればなんとか助けてあげたいと思います。
自分自身も上手な「調べ方」「尋ね方」ができるよう、気をつけていきたいものです。
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