「NASAから重大発表」というセンセーショナルなニュースがありましたが、地球に似た惑星が発見されましたね。
本日はこの「ハビタブル(居住可能な)惑星」と、「置かれた場所で咲きなさい」ということばについて。
ハビタブル惑星とは・ゴルディロックス惑星とは
宇宙の中で生命が誕生するのに適した環境と考えられている天文学上の領域は「ハビタブルゾーン」、そのなかの惑星は「ハビタブル惑星」と呼ばれています。
また、そのなかでも特にサイズ等が地球に近い惑星は「ゴルディロックス惑星」と呼ばれるそうです(参考:Wikipedia)。
ゴルディロックス
って、「低音ボイスで読んでしまいたくなるワード選手権」があったら絶対優勝ですよね。
そして、いまこの瞬間に「ゴルディロックス」って声に出して読んじゃった人は正直に手を挙げましょう。はい、正直でよろしい。
このことば、イギリス童話『ゴルディロックスと3匹のくま』の主人公の女の子の名前に由来しています。まさかの女子。
「Goldilocks」=「金髪」という意味(gold「金」+lock「髪」)。
版元によっては、『三びきのくまときんぱつちゃん』なんてタイトルのものも。ロックですねえ。
引用元:Amazon
で、なんでこの「きんぱつちゃん」が「ゴルディロックス惑星」の語源になっているかというと、そのストーリーに関係していました。
三匹のくま・あらすじ
『三匹のくま』の話の詳細はものによって若干異なりますが、だいたいこんな感じ(こちらのサイトより)。
- 金髪の女の子が森の中の家に迷い込む(じつはクマの家)。
- 3種類のスープを発見。大きな皿のスープはあつすぎる、中くらいのは冷たすぎる、小さいのはちょうどいい。ちょっとずつ飲んで、小さいのを選ぶ。
- 3種類の椅子を発見。大中小に座ってみて、小さいのを選ぶ。
- 3種類のベッドを発見。大中小に寝てみて、小さいのを選ぶ。
- クマの家族が帰ってくる。女の子びっくり。クマもびっくり。女の子逃げ出す。
って話です。
女の子がいろいろなモノのなかから「ちょうどいいもの」を選ぶことから、「生命の存在と維持に適した条件を有する環境(=ちょうどいい環境)」が「ゴルディロックスゾーン」と言われるようになったんですね。
「置かれた場所で咲きなさい」ということば
この『3匹のくま』の物語、「勝手に他人のものを食べたり使ったりしちゃだめだよ」というのがもとの教訓のようですが、つぎのような教えも読み取れます。
それは、自分にとっての「ハビタブル」=「ちょうどいい」は試してみなければ分からないということ。
ところで、「置かれた場所で咲きなさい」ということばがありますよね。
ぼくはこれにちょっと違和感を感じてます。
結婚しても、就職しても、子育てをしても、「こんなはずじゃなかった」と思うことが、次から次に出てきます。そんな時にも、その状況の中で「咲く」努力をしてほしいのです。
引用元:Amazon
その時、その状況で上手くいかないことがあっても、努力を続けなさい、と。
もちろんその状況のなかで努力することも大事です。
でも、39光年先にさえ「ハビタブル」な場所があるんですよ。
たまたま根を下ろした場所が、自分にとって「ちょうどいい」場所とは限らないと思うんですよね。
たとえば、会社を辞めることを「逃げだ」と批判する人もいますが、新卒で入社した会社なんてお見合い結婚みたいなもの。
そこで運良く運命の相手(一生働ける会社)に出会えることもあるかもしれませんが、ちょろっと企業研究して、ちょろっとOB訪問して、ちょろっと面接受けただけでお互いのことなんてわかるわけないじゃないですか。
その環境が「ちょうどいい」かどうかなんて、実際に試してみないと分からないんです。
だったら「ここが自分の居場所だから」と鼻から決めつけて諦めたりせずに、いろいろ試して、あがいて、自分にとっての「いちばん」を探すべきなんじゃないでしょうか。
そうやって「ここが自分の場所だ!」と心から思えたら、その場所でがんばればいい。
宇宙兄弟 ピコとビンスとリックの話
マンガ『宇宙兄弟』に、こんな話があります(11巻まで読んでない人はネタバレ注意)。
アメリカの田舎町に住む高校生、ピコ、ビンス、リックは宇宙に憧れていました。絶対に3人で夢を叶えようと。
しかし、そんな田舎町では親も先生も「宇宙なんか無理だから、みんなと同じように地元で働け」と反対するばかり。
ピコとビンスはその反対を押しきれず、とうとう夢を諦めてしまいます。
そんななかでもリックだけは諦めていなかったのですが、交通事故に遭って帰らぬ人に――
親友を裏切ったまま亡くしてしまったことを、悔やんでも悔やみきれないピコとビンスはこう誓います。
テンションの上がらねえことに……
パワー使ってる場合じゃねぇ……!
引用元:宇宙兄弟 11巻
そして、ふたりはリックの夢を胸に、「置かれた場所」を飛び出して夢を叶えるんです。
ぼくはこのエピソードが大好きで、この「テンションの上がらねえことに、パワー使ってる場合じゃねぇ」は勝手に座右の銘にしてるぐらいです。
もし、彼らが「置かれた場所で咲く」道を選んでいても、それなりに幸せになることはできたかもしれませんが、夢を叶えることは絶対に出来ませんでした。
もちろん変えることのできない環境を嘆いていても仕方ないですが、自分の力で環境を変えられるチャンスがあるのなら、チャレンジしてみるべきなのではないでしょうか。
ぼくはいまルワンダに住んでますが、アフリカって思った以上に「ハビタブル」ですよ(もちろんしんどいこともあるけど)。
一昔前は「置かれた場所」から飛び出すのはなかなか難しかったかもしれませんが、いまはもっといろんな生き方・働き方があっていいと思うんですよね。
テンションの上がらないことに、パワー使ってる場合じゃないですよ。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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海外在住者が「がんばれない」理由。外国語環境で脳は想像以上に疲弊する。