青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
ルワンダで家計簿コンサル&起業アドバイザー始めました!
もちろんボランティアなのでそれでお金を取ってるわけではなくて、勝手にそう名付けてそれっぽいことをしていきたいなと。
今回はそうなった経緯をご説明します。
もくじ
ルワンダ語を教えてもらおう!
ぼくはいま、近所の高校生Aくんからルワンダ語を教えてもらっています。
彼の家は学費を工面するお金がないため、その資金を援助してほしいと言われました。
しかしただ単に寄付するのはぼくのポリシーに反するため、学費を支援する代わりにルワンダ語を教えてもらうことに。
寄付でなく労働の対価を。先生は高校生!ルワンダ語レッスン開始!
これで一件落着…のはずだったんですが、事情が変わりました。
やっぱり学校に行けない!
ある日、ルワンダ語のレッスンが終わって、Aくんからこう言われました。
「ノリ、パソコン貸して!ワード入ってる?手紙書くから帰ってから読んで!」と。
「(なになに、おれへの感謝の手紙かなにかかな?)」とワクワクしながらも、なんとなく曇っている表情が気になりつつ帰ってから読んでみました。
ざっくり訳すと、
学費を工面してもらったけど、そのお金がなくなったからやっぱり学校には行けなくなりました。助けてもらったのに、謝らないといけません。
うちはすごく貧乏だから、土地や財産を売ったりしておれも父もどうにかしてお金を工面してきたけど、今回はダメでした。
どうにかしてノリやノリの友だちに助けてもらうことはできないでしょうか。お願いします。
まじか・・・なんでだよ・・・
ということで、一夜明けて、今朝緊急会議してきました。
懐事情を徹底調査
学費不足の理由
まず、なんで学費には十分なお金を渡したのに足りなくなったのか?
それはぼくが渡したお金が、支払いの滞っていた先学期の学費に充てられたからでした。
「なんで先学期の学費を払ってなかったことを言わなかったのか」と聞くと、「それには父親の稼ぎを充てるつもりだったから」と。
お父さんの稼ぎが見込みよりも少なく、ぼくが今学期用に渡したお金を先学期分に充てざるを得なかったんだとか。
だから、今学期分の学費が足りない。つまり、もうこのままじゃ学校に通えないと。
収入や貯金は?
寄付はしたくないけど、もしするとしたらちゃんと確認しとかなきゃと思い、家庭のお財布事情も聞いてみました。
両親は農家だけど、畑が小さくて野菜はすべて自分たちの食材に。たまにほかの人の畑で働かせてもらって、1日700RWF(約100円)、安定収入はなし。
貯金もほぼなし。
Aくんいわく、「両親はちゃんと学校を出てないから、貯金の仕方がわからないんだ」と。
で、さらに詳しく聞くと両親とも子どもの頃に親(つまりAくんの祖父母)を亡くしていたために、ちゃんとした教育を受けられなかったんだそうです。
「お父さんお母さんしっかりしろよ!」と思ってましたが、そんな事情があったんなら責めるに責められない…。
スモールビジネスの可能性
大きなことじゃなくてもいいから、自分でビジネスを始められないのかも聞いてみました。
野菜とかフルーツジュースとかハンドクラフトとかスナックとか家事代行とか自転車タクシーとか、ぼくが思いつく限りの例を挙げて、なにか作って売ったりサービス業をしたりすることはできないかなと。
特に可能性があると思ったのはフルーツジュース。
以前この家に来たときに出してもらったんですが、ふつうに美味しかったし、近所でこんなの売ってるお店もないのでいけるんじゃないかなと思ってたんです。
それを聞いてみると、じつは以前にも市場に行って売ったことがあるんだとか。
ただ、市場が開くのは週に2回だけで、そのときは2000RWF(約300円)しか稼げなかったそうです。
結局、お金出します
そういった事情をすべて聞いてみると、この家族だけでいますぐにお金を工面するのは難しそうです。
学校はもう始まっていて、1月中にお金を納めないと通えなくなってしまうとのこと。つまりあと3日。
さすがにAくんがこのまま学校にいけなくなるのを見過ごすわけにはいかないし、お母さんは病気がちで、これから学費のかかる弟もいて状況はかなり厳しいので、結局学費を支援することにしました。
ただし、まずは今学期の分だけ。AくんはいまS5(高2)で、卒業までにあと6学期残しています。
最悪、今年度の3学期分は支援してもいいけど、来年度(最終学年)の学費は自分たちで賄えるようにこの1年で収入向上&支出削減していこうということで合意。
ただ、ぼくひとりで払うのはさすがに負担が大きいので、ほかに支援してくれる人を探したりはするつもりです。
そして、支援するうえで2つの条件を約束しました。
条件①家計簿をつけること~支出削減~
両親が貯金の仕方を知らない、というのは家計にとってかなりのダメージだと思います。
そこで、超シンプルな家計簿の見本をつくってノートごとあげて、Aくんとお父さんに説明をしました。
左ページが支出、右ページが収入と繰越金
毎日支出と収入を記録して、いくら貯金ができるか、ムダ使いはないかチェックしてねと。
日銭を稼いで生活をしのいでいるだけではいつまでたっても学費なんて貯まらないので、これで計画的にお金を貯められるように習慣化していってもらいます。
もちろんいきなり自分たちだけで家計簿を管理していくのは難しいと思うので、ぼくも手伝っていきます。支出削減の取り組み。これが家計簿コンサル。
ちなみにぼくは経済学部とか商学部とかの出身ではなく、国際教養学部というよく分からない学部の出です。いちおう営業やってましたが、数字は苦手です。がんばりますw
条件②スモールビジネスを始めること~収入向上~
もうひとつの条件が、これまでにない稼ぎ口をつくること。かっこよく言うとスモールビジネスを始めるってことでしょうか。
やっぱりまずは経験のあるフルーツジュース売りからが良いかなと。
まだ見てみないと分かりませんが、売り方次第で売上を増やすことはできると思うので、これも手伝っていきます。収入向上の取り組み。これが起業アドバイザー(大げさ感w)
販売場所にムズング(外国人)であるぼくが立ってるだけで注目集まって売上げ上がりそうな気がするんですが、そんな簡単じゃないかな笑
こっちには販促方法とか考えるうえで、営業経験が生かせそう。
鍵は両親
こんな感じで新たな取組みをしていくことになりました。
それにしても、Aくん自立しすぎです。ぼくが高校生のときは、親に学費を払ってもらってることなんてなんとも思ってませんでした。
なのにAくんは親に頼らずに自分でなんとかしようとしてました。
だから、彼に伝えたのは「自分でがんばろうとしててすごいけど、もっと親を頼っていいんだよ」ということ。
この取り組みの目的はAくんの学業をサポートすることですが、その鍵は彼の両親を変えることだと思ってます。
だから今日は上から目線にならないように気をつけつつ、Aくんだけでなく、お父さんも交えて話をさせてもらいました。
Aくんからは「親と一緒に家計簿を管理して、新しい仕事をできるようにがんばるよ」と言ってもらえて、お父さんからも「本当にありがとう。おれもがんばるよ」と心強いひとことが。
プライベートな領域に突っ込むことなので、いかにこの家族に嫌な思いをさせずにやる気を引き出していくかが元営業マンの腕の見せどころかなと。
自分が帰国する1年後までに、この家族が自立できるようにサポートしていきます。そしてその後は、レベルアップした彼らがほかの住民に「家計簿はこうやってつけるんだよ!」と教えてくれるようになったらいいなあ。
ここまで関わった以上は、中途半端なことはせずにやりきります。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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