青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です
東アフリカのルワンダで水・衛生環境の改善に取り組んでいます
今回は「0」を「1」にすること、無駄にすら思える「1」を積み重ねることの意味について
ワークショップ終了後
セカンダリースクール(中高生)向けに行っていた、シリーズものの手洗い啓発ワークショップを終えました
そのアンケートを回収しに、衛生クラブ(委員会)のリーダーに会いに行ったところ、こんなことを言われました
We want to help you and do something for the villagers.
これまでは校内の生徒にのみ衛生に関する啓発活動をしていた衛生クラブのメンバーが、ぼくと一緒に住民向けの活動をしたいと言ってくれたんです。タケダ感無量
コミュニティ・モビライゼーション
青年海外協力隊の活動のポイントとなるのは、「コミュニティ・モビライゼーション」です。コミュニティ・モビライゼーションとは、支援の対象となる人が自主的に問題解決に取り組めるよう促していくこと
ぼくらもいつまでもその地域にいられるわけではないので、支援者がいなくてもその取組みがまわるようなシステムを作ることが理想ですよね
なので、住民のなかにその推進役となってくれる人を作りたいと思っていました。そこに高校生がこんな前向きな言葉をくれたのでとても嬉しくなってしまいました
葛藤と成果
この活動をしていて「こんなことをしていて意味があるんだろうか」と思ったことは何度もあります
「手洗いは大事だよ」と言ってもそもそも水がなければ手なんか洗えないし、実際ちょっとぐらい洗わなくても死にはしません
アポイントを対象校の先生にすっぽかされたり、嘘つかれたり、生徒の反応もいまいちだったりで「求められてもいないのに、『やらせてもらってる』感満載で馬鹿らしいな」と思ったりもしました
でも、これまでの活動をやってこなければ、冒頭の生徒の変化は出てこなかったはず。やってきて良かった
0を1に
このワークショップを一緒にやってきたグループのリーダーが、Facebookにこんなことを書いていました(勝手に引用してるけどいいよねw)
0を1にするのは苦手ですが、1さえあればこっちのもんです。
10,20ゆくゆくは100にできるように頑張ります!
結局、こういうこと
何事も「0」から「1」にするのが一番むずかしい。でも、「1」の芽さえ育てられれば「10」にも「100」にもなっていく
「自分には何もできないな」と無力感を感じたとしても、その先に繋げられるのであれば決して無駄じゃないんです。たとえどんなに小さな「1」でもね
ハチドリのひとしずく
この考え方に近いお話があります。南米のアンデス地方に伝わる『ハチドリのひとしずく』という短いお話
森が燃えていました
森の生きものたちは われ先にと 逃げて いきました
でもクリキンディという名の
ハチドリだけは いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」
といって笑います
クリキンディはこう答えました「私は、私にできることをしているだけ」
出典:「ハチドリのひとしずく」 辻 信一監修 光文社刊 2005年
まわりから「そんなことをしても無意味だ」と笑われながらも、自分にできることを精いっぱいやるハチドリのクリキンディ
ぼくは、この「周囲からの嘲笑」は自分自身の声でもあると思います
自分が信じなければ誰が信じるのか?
「そんなことをして いったい何になるんだ」
まわりから見たら、意味のないことかもしれない。でも、どんなに大きな火事だって、たくさんの水が集まれば消すことができる
自分ひとりの運んできた水だけでは足りないかもしれないけど、それを見た人が手助けしてくれるかもしれない
でも、もし自分が「どうせこんなことしてても意味ないよね」と言いながら中途半端に行動してたら?
そんな奴は誰も助けてくれないですよね。一生懸命やってるから、信念を持ってやってるから、その姿に心を動かされて、行動に移してくれる人が出てくる
傍目に見ても無理なことは、自分が信じなければ、誰も信じてくれません
自分にできることをする
ルワンダに来てつくづく思うのは「自分には大したことはできない」ということ
「社会貢献の現場を知りたい」「困っている人の問題を解決したい」と思って青年海外協力隊に来ましたが、「自分にできることなんてないんじゃないか?」と思ってしまいそうになります
たしかに、個人でなにかやろうと思っても大きな組織や資金力のある会社には敵うわけありません。でもハチドリにはハチドリなりの働き方がある
「私は、私にできることをしているだけ」
たとえたったのひとしずくでも、それが何かを変えるきっかけになるかもしれない
小さな「1」でもいいから、ひとつずつ積み重ねていきましょう
タケダノリヒロ(@NoReHero)