ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です
先輩隊員のお宅にお呼ばれして、その場で捌いた鶏&鴨を頂いてきました
「鶏を捌く」というのはわりと“協力隊あるある”でして、人によっては研修で捌き方を習ったり、任地で捌いてSNSに載せてたりするため、それを見ても「あーまたか」と思う程度でした
ただ、実際に見てみるとやっぱり違いますね。可哀想とか残酷とかそういう感情ではなく、「こうやって『生き物』が『食べ物』になっていくのか」と不思議な気持ちになりました
以下、鶏を捌く行程を載せているので、グロテスクなものが苦手な方はお気をつけ下さい
※捌くのは先輩隊員宅の警備員と、隣の家の子ども(通称カツオ)がやってくれました
鶏の捌き方
首を切る
まず押さえつけて「ごめんね」と言いながら首を切り落とします。なぜか洗濯バサミで吊るされていた首…
首を切り落とされると、そこから絵の具のように真っ赤な血がどばーっと出てきましたが、それでも嘴や体はしばらく動いていました。すごい生命力
羽をむしる
次は羽をぶちぶちとむしり取っていきます
鶏と比べると、鴨は羽を取るのが大変そうでした。なかなかむしり切れない場合は、火で炙ります
内蔵を取り出す
羽が綺麗に取れたら内蔵を取り出します
焼き鳥屋さんで「レバー」や「砂肝」として出てくる臓器たちも、この体のなかでちゃんとその機能を果たしてるんだなと当たり前ながら思わざるを得ません
切り分ける
最後に部位ごとに切り分けて終了!
頂く
そして頂きます。鶏は唐揚げに。新鮮だからかすごく柔らかい!
鴨は鴨鍋になりました。さっきのあいつがこうなるのかー…
鶏の解体はなかなか大変そうでしたが工程はシンプルだったので、自分でも出来ないことはないかもしれないと思いました。せっかくルワンダで生活しているので、1回くらいは自分で捌いてみようかな
まだ10歳前後と思われる隣の家の子ども(カツオ)も、慣れた手つきで解体の手伝いをしていました。「誰に教わったの?」と聞いたら「お父さんに教えてもらった」と
日本では父親に自転車の乗り方や逆上がりの仕方を教えてもらうことはあっても、鶏のさばき方を教えてもらうことなんてまあないですよね
教えてもらったとしてもこんなに堂々と出来るかな…自分の子ども時代だったらびびって泣いてましたね、間違いなく。ルワンダの子どもはたくましいです
可哀想と言いつつ結局食べているのが一番残酷
今まで「鶏を自分で捌くなんて可哀想で出来ない」と思っていましたが、可哀想と言って自分では手をかけないくせに結局食べているのが一番残酷なのかもしれませんね
それに毎日こうやって鶏や牛や豚を捌くことを仕事にしている人も沢山いるんです。解体の一部始終を見せてもらいましたが、結構な重労働ですよ
よく考えてみたら、牛がどうやって捌かれてるかとか知らないですよね。機械でやってるのか、人がやってるのかも知らないなと思ったんですが、少なくとも鶏の場合は細かい作業も要するので、牛も機械では捌けないだろうなと思いました
それをどんな風にするのか知りもしないでなんとなく「気持ち悪い」と思ったり、面白半分にネタにしたりするのは、その作業を担ってくれている人に対してすごく失礼なことだったんだなと反省しました
鶏を捌くのを見たことがない日本人と、鶏を捌くのを見たことがある日本人と、鶏を捌いたことのある日本人。その違いは目には見えないけれど、決して小さなものではないと思います
この肉を育ててくれた人、運んでくれた人、捌いてくれた人…自分の手元に届くまでにさまざまな人が関わっているからこそ何の気なしに調理できるんですね。それを少しでも理解出来たことで、いままでの「いただきます」とこれからの「いただきます」は確実に変わってくるし、将来子どもに「ちゃんと『いただきます』って言いなさい」と躾をするときだって確信をもって言うことが出来るはずです
食に限らず、日常的に接点は沢山あるのに、それがどうやって生み出されているのか具体的には知らないものって多いですよね
そこには必ず「人」が関わっています。その作り方をぼくらが知る必要はなく、使い方さえ分かればいいんですが、その見えない部分を支えてくれている人の存在を慮ることってすごく大事なことなんじゃないかなと思いました
そう言えば、以前友人が屠殺をテーマにしたすごくいいドキュメンタリーがあると言っていましたが、これでした。『ある精肉店のはなし』
残念ながらネットでは予告編しか見当たりませんでしたが、見てみたいなー
日本で暮らしていたら鶏が首を切られるところや内蔵を取り出すところなんて、まず見られないですよね。貴重な経験が出来ました
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タケダノリヒロ(@NoReHero)