青年海外協力隊、コミュニティ開発・水の防衛隊の活動記録です。
友人ピーターに「水問題で困ってる村がある」と言われ、ムシャセクター・カガラマセル・ムホゴト村に行ってきました。
ムホゴト村概要
ムホゴト村は自宅やオフィスのあるセクターの中心地から徒歩1時間弱。周囲は丘に囲まれており、村はその麓にあります。水環境が非常に悪く、マラリアや回虫(internal worm)が蔓延しているとのこと。
スズの発掘場があり、子どもも含めて多くの人が採掘作業をしていました。
友人ピーターは以前ここに住んでいたそうですが、水道なし・電気なしで病院も遠いなどインフラが悪すぎるためセクターの中心に近い場所に引っ越したそうです。一月に三回マラリアに罹ったこともあるとか。
水汲み場、蚊の発生源
採掘用の貯水池から流れでて出来た沼。村の住民はここまで10分ほど歩いて水を汲みに来ています。
案内してくれた村長さん。「村長」って聞いてヨボヨボのお爺さんをイメージしてましたが、わりと若めの女性でした。
ここにも沼が出来ており、ここから蚊が大量発生しているようです。湧き出てきている水に加えて、周囲の丘から流れてくる雨水なども混ざって濁っているとのこと。
先ほどの水源とは村から逆方向に歩いて15分ほど行くと、整備された湧き水がありました。
乾季には他の村からもここに水を汲みに来るため、人が多すぎると先ほどの汚い沼まで水を汲みに行く必要があるそうです。
課題整理
問題点や解決案をまとめてみました。
マラリア
青カードが問題点、吹き出しは解決案です。
根本的に解決するには蚊の発生源である沼をなんとかしなきゃいけません。
以前、灌漑アドバイザー(JICA専門家)がこの付近を調査したときに同行したのですが、水不足にも関わらず丘の麓になっているため洪水が発生し、作物が被害を受けているようです。
そのためダムを作る可能性もあるので、根本的な解決が出来ないわけではなさそうです。
一番手がつけやすいのはマラリア教育。ピーターも学校で「マラリア原虫を持つのはメスの蚊だけ」といった知識は習っていましたが、特に危険なのがハマダラカによる熱帯熱マラリアで、気をつけるべき時間帯は日没から日の出までといった情報は知らなかったなので、村の人たちにもこれらのことを知ってもらう必要がありそうです。
もし蚊帳を買うお金や治療費がないのであれば、収入向上の取組も必要ですね。
水因性疾患
下痢や回虫などの水因性疾患について。汲んでくる水が汚いこと、さらにそれを煮沸せずにそのまま飲んでいることが原因となっています。
水源を根本的に綺麗にすることは難しいので、いかに水を清潔にするかがポイントです。
まずは衛生啓発活動で、改めて水因性疾患のリスクを認識してもらうこと。
マラリアにしても水因性疾患にしても、住民にレクチャーする機会はピーターが村長に言って、ウムガンダ(※)の後に時間をもらえるようです。
※ウムガンダ=ルワンダで毎月最終土曜に行われる奉仕活動。その後に住民集会がある。
それからもし薪や炭が勿体無くて使えないのなら、ガスへの転換やソーラークッカー、SODISなど代替方法を取り入れるという手段が考えられます。
村にはソーラーパネルを設置して、電気を賄っている家庭もあったので、「ソーラーエネルギーを活用する」というアイデアの受け入れ性は高そうです。
ただ、これで使えるのは小さい電球4~5個らしいので全然足りないそうですが。
絶景の帰り道
「この丘を越えると近道だよ」と村長に言われたピーターとの帰り道。
ほぼ登山でした。現地人ピーターも汗だくで手伝ってもらって申し訳なくなりました。
でも眼下には絶景が。いやあムシャセクター、ほんと良いとこです。
ピーターがこんなに積極的にぼくのことを手伝ってくれるのはなんでだろうと思い、「別にお金とかモノをあげられるわけじゃないのに、なんでこんなに手伝ってくれるの?」聞いてみました。
「ハハハ。Loveだよ」という予想外の答えが返ってきて、その意味を測りかねている今日此の頃です。
タケダノリヒロ(@NoReHero)