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もう水浴びも寒くない!ソーラークッカーで目玉焼き&温水つくってみた。

村の水・衛生問題を解決する手段として思いついた「ソーラークッカー」。

ルワンダ水問題を救う!自作ソーラークッカー10個のメリット

さっそく実験してみました。

 ①ソーラークッカーで水は殺菌できるのか?
 ②SODISで水は殺菌できるのか?
 ③ソーラークッカーで目玉焼きはできるのか?

結果は……やはりそう上手くはいきませんでしたが、収穫もありました。

お湯が使えずに毎日「おっしゃ!!」って気合を入れながら水浴びしている途上国のみなさん、またはガス代を節約したい先進国のみなさん、ぜひ参考にしてみてください。

革命です。

実験開始

【07:30】

3月18日金曜日。天気、晴れ――。

いよいよ実験スタート。

まず、出勤前に実験②「SODISで水は殺菌できるのか?」の準備を。

と言っても、ペットボトルに水を入れ、日が当たる所に置くだけです。

SODIS(Solar water Disinfection)メソッドとは、太陽熱で消毒することにより、途上国の子どもの主な死亡原因である下痢を防ぐための方法です。

SODIS: SODIS METHOD

とっても簡単ですね。これを放置して一旦出勤。

水殺菌用ソーラークッカー作成

【12:00】

オフィスから帰宅。さっき庭に置いておいたペットボトルを触ってみると、すでにほんのり温かい……!!

期待感を高めながら、本命である①「ソーラークッカーで水は殺菌できるのか?」で使うソーラークッカーづくりに取り掛かります。

ダンボール箱にアルミホイルを貼り、熱が逃げないように上からラップを被せたら完成。

参考:How to make a simple solar cooker to understand the use of solar energy – YouTube

ルワンダで買ったアルミホイルやラップを使うと、いかに日本製品のクオリティが高いかを思い知らされます。ラップはボロボロになるし、アルミホイルなんてそもそも刃が付いてませんでした。

しかもこの村にも近隣の町にも売ってないので、わざわざ首都キガリまで買いに行きました。ぼくの住むムシャセクターはキガリから車で一時間。隊員の中では比較的近いとはいえ、日本で言うと群馬から東京までラップを買いに行くようなものです。暇か。

この方法を地域住民に普及させるとしたら、楽に買えるようなルートを作るか、お菓子の袋で代用するなどの工夫が必要になりますね。とりあえず今回はこれで実験。

目玉焼き用ソーラークッカー作成

【12:30】

続いては③「ソーラークッカーで目玉焼きはできるのか?」の準備です。

使ったのはこちら。

牛乳パックです。

なぜこれを使ったのかというと、中身が常温保存できて消費期限も9ヶ月という「ロングライフ牛乳」だからです。

一週間でダメになる牛乳しか飲んでこなかった自分にとっては衝撃でした。

なんでこんなに持つんだ……?特に添加物が入っているわけでもなさそうだし……。

ということは、と思い開いてみると――

やっぱり!内側はアルミっぽい材質でコーティングされてました。これは使えそうです。

外側をマジックで塗った缶に生卵を入れます。

牛乳パックの中に缶を置き、ラップで蓋をしたら準備完了。


卵割るの失敗。

【12:45】

すべての準備が整いました。あとは太陽が頑張ってくれるのを待つだけ。

天敵現る

【12:46】

バサバサバサッ――。 

部屋に入った瞬間、不吉な音が。

あ――

……開始1分でカラスの餌食に

しかし「ンンアッ……!!」と咄嗟に奇声をあげたので、上のラップを剥がされただけで卵自体は大丈夫でした。油断も隙もない。

【13:08】

しばらくして見に行くと、卵の上に張ったラップに水滴が。温まってる!

順調順調。

実験中止

【14:12】

と思いきや雨が……。

今日はここまで。

水温測定

【14:14】

中途半端になってしまいましたが、一応温度を測ってみることにしました。

まずは②「SODISメソッド」で約7時間放置していた水。気温は25度。病原菌が死滅するのは65℃以上ですが…

34.6℃!

殺菌できる温度には遠く及びませんが、もとの水温よりはかなり高くなりました。

続いては③「ダンボールソーラークッカー」に約2時間入れていた水。

35.3℃!

これも65℃には全く届きませんが、ソーラークッカーを使ったほうが短時間で水温を上げることが出来そうです。

水浴び革命!

これで終わりにするのも悔しいので、ちょっとだけ温まったこの水で水浴びをすることに。

大抵のルワンダの家と同じく、ぼくの家もお湯など出ません。髪を洗う時は、ちょろちょろとしか出ないシャワーの水をたらいに溜めて、神に祈るような格好で頭を突っ込んで洗っています。

身体を洗う時が問題で、とにかく寒いんですよね。「アフリカ=暑い」というイメージだと思いますが、ルワンダは標高が高いので気温が15℃ぐらいまで下がることもあります。

なので水を浴びる時は、いちいち呼吸を整えて「おっしゃ!!…うーぃ、うっしゅ!!」と叫びながら浴びなければなりません(協力隊あるある)。

普段はナヨナヨしているぼくも、この時ばかりはショーンマクアードル川上並に男性フェロモンを撒き散らしています。なぜかそれでちょっとだけ冷たさを誤魔化せるのです。

でも、そんな生活も今日で終わりです――。

外に置いていたペットボトルから水をたらいに注ぎ、服を脱いで、腕を漬けてみます。

……あったかい!!

これ、ほんとに温かいです。革命です。

ガスコンロで鍋の水を温めてみたこともありますが、量が少なくてすぐ冷めちゃうしガスがもったいないんですよね。ガスがなくなったら、いちいちボンベをガソリンスタンドまで持って行かないといけないので無駄使いは避けたいんです。

それと比べても格段に温かいし、光熱費は一切かかりません。確かに普通お風呂の温度は40℃前後ですからね。35℃まで上がったこの水なら、もうね、もはやお湯です。

残念ながらバスタブがないため全身浸かることは出来ませんが、お湯を浴びるとこんなにもほっとするのかと久々にお湯のリラックス効果を実感しました。

ただ水を外に放置してただけですからね。もうこれから毎日やります。

これまで冷たい水を我慢して浴びてたみなさん、水をペットボトルに入れて日に当てておくだけでめちゃくちゃ快適な途上国ライフを送れるようになります

ぜひやってみてください。ソーラークッカーは、引き続き挑戦していきます!

(カラスにつつかれた生卵、どうしよ……)

タケダノリヒロ(@NoReHero

norihiro415:
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