アフリカのルワンダでスタディツアーや情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
新型コロナウイルスのワクチン、2回接種終わりました!接種までの様子や、ルワンダのワクチン接種状況などをお伝えします。
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ワクチンの情報不足
ルワンダでのワクチン接種でまず困ったのが、情報がないこと。日本では自宅に「ワクチンを接種しに来てください」ってお知らせが届くんですよね?ルワンダでは残念ながらそこまで親切なアナウンスはありませんでした。在ルワンダ日本大使館からも、在住日本人に対して何かしらの情報があるかなと期待してたんですが、こちらも特になし。
ただ、ありがたいことにルワンダでは各政府機関が積極的にツイッターを使っているので、コロナに関しては保健省やRBC(ルワンダバイオメディカルセンター)のアカウントでなんとなくの動向を追うことはできました。
そして一番役立つのが、やっぱり人づての情報。日本人のお友達やフェイスブックの在住外国人グループから「いまここでワクチン打てるらしいよ!」といった情報を仕入れて、なんとか接種までこぎつけました。
何ごともそうですが、特に海外生活では自分で情報を取りに行かないとダメだなあと思わされますね。
どうする中国製ワクチン
我々タケダ夫婦がワクチンを打ったのは、国のワクチンキャンペーン第3弾。これで首都キガリの成人の90%にはワクチン接種を完了するという目標が立てられ、接種会場数も一気に拡大されました。
うちの近所の教会でもワクチン接種が行われていたので、「明日は朝イチで教会に行ってみよう」と妻と話していました。しかしその日たまたま買い物をした近所のお店で、「あそこは中国製で、その他のワクチンを打ちたければ街中の会場に行ったほうがいいよ」という情報を入手。
ぼくはあまり気にしていなかったのですが、妻は「中国製はちょっと……」と困った様子。それで調べてみたところ、やはり中国製のワクチンは効果が薄いといった情報が、日本だけでなく海外のニュースでも取り上げられていました。
それで妻の言ったことを最初から素直に聞いとけばよかったなあと反省しつつ(いつものこと)、ふたりでちょっと離れた街中まで行くことになりました。
ワクチン接種1回目
2021年8月26日。接種枠を予約できるようなシステムは特にないため、7時半開始という噂に合わせて7時10分ごろに会場に到着。
しかしそこにはすでに長蛇の列が……!
7時35分ごろ、最前列の人から順番にテントに入り始めます。入り口ではIDチェックがありました。
大きめの体育館くらいのサイズのテント内に入ると、①個人情報登録の待機列と、②ワクチン接種の待機列の2ステップが。①では名前や住所、ID番号(またはパスポート番号)などを紙に書いて係の人に渡し、それを各担当者がPCに打ち込みます。そこで「コロナにかかったことはありますか?」「慢性疾患はありますか?」といったことも聞かれました。女性の場合は妊娠しているかどうかも聞かれるようです。
ここでひとりひとりにワクチンコードが割り振られ、カードに記入されます。メーカー名は「ファイザー」になっていてひと安心……!
イス取りゲーム
②ではプチトラブルを体験。ワクチン接種待ちのためにイスが並べられていて、順番に1席ずつ前に進むようになっていました。
ところがぼくの列には係の人がいなかったからか、さながらイス取りゲームのようになってしまっていたのです。
ほとんどの人がひとつでも前のイスに座ろうと必死。それでも安全に3席ほど前に進めたところで、ぼくの目の前の若い紳士が座るはずだった席が、横から飛んできたキャップを被ったお兄さんに取られてしまったのです。紳士のほうはずっと落ち着いて1席ずつ進んでいたがために、狙われてしまったんですね。正しい行いをしている人が損をするという悲しい世界。。
ふたりは口論になり、さすがにこれはひどいと思ってぼくも「これは彼が座るイスでしょ」と紳士マンに加勢。それでもまったく席を譲ろうとしませんでしたが、そこでようやく係の人が来て、キャップボーイは退席させられたんです。
ああこれでひと安心と思ったら、キャップボーイが座らされたのは、まさかのぼくの真後ろ。気まずうぅ……!よその家でトイレのスリッパ履いたままリビングに戻ってきちゃったとき並に気まずかったですね。
しかもそれでもふたりの怒りは収まらず、ぼくを挟んでしばらく罵り合いを続けていました。「謝れよ!」「もう終わったんだからいいだろ!俺にかかわるな!前向いてろ!」と。。おそらく5分ぐらいのできごとでしたが、あまりにも時の流れが遅くしんどく感じたので精神と時の部屋かと思いました。やれやれ。
ルワンダの人たちはふだん温厚な人が多いので、こんなにガチでケンカしてるのは初めて見ました。ただ、銀行とかバスの停留所とか「並んで待つ」のは苦手な人が多く、人を押しのけてでも割り込もうとする人が結構多いのも事実。まあこれはルワンダだから、というよりどこの国でもそういう人はいるものですよね。
そんなトラブルもありながら、無事に1回目の接種完了。カードには次回接種の日付が「9/16」と書かれました。ちょうど三週間後ですね。
何の症状もないか確認するため数分待ってから、会場を後にしました。1回目の副反応は、腕がちょっと痛くなったくらいで特になし。
ワクチン接種2回目
2回目のワクチン接種は9月16日。このときには国内のワクチン在庫がかなり少なくなっていて、1回目の人向けのワクチン接種はかなり制限されているようでした。
そのおかげかほとんど並ぶことなく入場できて、約1時間ほどで接種まで終えることができました。
このときはおだやかな笑顔ですが、当日夜に3年ぶりくらいに熱が出て(38度ちょい)、ひどい悪寒や腰痛などの副反応に約1日半苦しめられました。。
ワクチン情報はオンライン管理
ルワンダではワクチン情報はオンラインで管理されています。接種会場で個人情報を登録したら、すぐにSMSでメッセージが届きます。
そこにあるリンクから、下記のようなポータルサイトにアクセス可能。電話番号とコードを入れると、自分のワクチン情報が表示され、証明書も取得できます。
さすがIT立国を目指すルワンダ。この辺りはきっちりしてますよね!
アフリカ・ルワンダのワクチン状況
下記の記事によると、アフリカではワクチンが不足しているようです。
・ワクチン調達の国際的枠組み「コバックス」の供給量が削減されたため、アフリカで今年4億7千回分のワクチンが不足、致死率の高い新変異株が出現する恐れが高まっている
・アフリカで年末までにワクチンを接種できる人口はWHO目標の40%に対し17%
・世界的なワクチン不足のため、公平な分配を目指すコバックスがアフリカに供給する量は、予定よりも約1億5千万回分少なくなる
・富裕国がコバックスを市場から締め出している限りアフリカはワクチン接種目標を達成できない
こんな状況で外国人のぼくも打たせてもらえたのはありがたい限り。ルワンダの首都キガリではほとんどの成人がワクチンを打ち終わったようですが、地方はまだまだこれから。その分のワクチンをいかに確保するかが課題となりそうです。
ルワンダでは2021年の終わりまでに人口の30%、2022年6月までに60%に予防接種をすることを目指していますが、現状は8.4%にとどまっています。