コロナ禍のルワンダ出入国&実際に起きたトラブル

アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。世界中でコロナが猛威をふるい続けていますが、日本に一時帰国しました。

PCR検査や自主隔離などふだんの渡航とはまったく違う、貴重な体験ができたので記録として書き残しておきます。誰にでも起こりそうなトラブルにも遭遇してしまったのでご参考まで!

※出入国の条件などは当時のものです。かならず最新情報をご自身でご確認ください。

ルワンダからの出国

PCR検査と陰性証明書の取得

まずルワンダを出国する際には、フライトから遡って48〜120時間以内陰性証明書を取得する必要があります。

証明書を取得するためにPCR検査を受けるのですが、予約はRBC(Rwanda Biomedical Centre)のサイトからオンラインで。支払いはひとり50USD、クレジットカードで済ませました。

RBCサイト

検査を受けにアマホロスタジアム(国立競技場)へ。ふだんはバスケットボールコートとなっている体育館が検査会場になっており、ソーシャルディスタンスを保ってイスやブースが配置されていました。

PCR検査会場となっているアマホロスタジアム

スタッフさんはタブレットで情報管理しているのですが、自分の電話番号やメールアドレスを登録してもらうときは口頭で伝えて相手に入力してもらうので、言い間違い・打ち間違いに注意!これが間違っていると、陰性証明書を受け取れなくなってしまいます。

手続きを終えると奥へ案内され、ブースの中へ。イスに座ると口を開けるように言われ、細長い棒を喉の奥まで突っ込まれます。が、あまりにも奥まで入れられるのでオエッとえづいてしまいました。その一瞬で検査は終わりなので痛みなどはないのですが、個人的にはニガテでした。。

検査結果は約12時間後にSMSで、証明書は検査から約24時間後にメールで受け取りました。

空港に行く際にはスマホの画面を見せるだけではダメなこともあるようなので、プリントアウトしていくのをお忘れなく。

ルワンダ出国時PCR検査(2020年9月時点の情報)

  • 予約はオンラインで
  • 料金は50USD/人
  • 翌日には検査結果と陰性証明書を取得可能

エチオピア航空で日本へ。エチオピアのアディスアベバと韓国のインチョンを経由しました。

日本に向かう機内

日本への入国

日本到着時のPCR検査

成田空港に着いたら、ここでもPCR検査を受けます。

ルワンダと違って、唾液を試験管に落とすタイプの検査だったので楽でした。しかしちょっと笑っちゃったのが、唾液を採取するためのブースの壁に、梅干しとレモンの画像が貼ってあったこと。さすがおもてなしの国、ニッポン。

これをちゃんと読んでくれてるあなたも、まさにいま唾液が出てることでしょう

おかげでスムーズに唾液を出すことができました。意外とたくさん唾液を出さなきゃいけないので、人によってはけっこう大変かも。この検査は無料で受けさせてもらえます。ありがたい。

PCR検査の結果は約1時間で出ると言われていましたが、実際に待っていたのは30分くらい。その後は帰宅できるのですが、公共交通機関は使えないため義父に車で迎えに来てもらいました。飛行機も「公共交通機関」に当たるため、国内線の利用はできないそう。そのため拠点が車で行ける範囲になければ、空港付近に自費で宿泊しなければなりません。自主隔離の期間は約2週間なので、ホテル住まいはかなりきついですよね。。噂によれば、空港付近のホテルからは自主隔離期間中に脱走を試みる人も多いんだとか。

日本入国後の自主隔離

自主隔離中は、LINEを通じて健康管理がおこなわれます。厚生労働省の公式アカウントがあるため、空港で案内されたとおりに登録。「熱はないですか?」などの質問が送られてくるので、毎日回答しました。

厚生労働省からのLINE

2週間過ぎたら質問は送られてこなくなるので、これにて自主隔離は終了。空港での説明では、できるだけ人との接触を避ければ最低限の買い物や外食は問題ないと言われていましたし、妻の実家でお世話になっていたので全然苦でない隔離生活でした。

日本入国時のコロナ対応(2020年9月時点の情報)

  • 空港到着時にPCR検査(唾液検査、無料)
  • 空港からの移動には公共交通機関の使用不可
  • 自主隔離は2週間。LINEなどで健康チェックがおこなわれる

日本からの出国

日本で3ヶ月ほど過ごして、2021年1月6日に出国。その前に、ルワンダ入国に必要な手続きをいくつか行いました。

ルワンダ入国時のコロナ対応(2021年1月時点の情報)

  • 陰性証明書の取得
  • 指定ホテルの予約
  • Passenger Locator Formの入力

陰性証明書の取得

まずは陰性証明書の取得。条件は最初のフライトから遡って120時間以内の検査実施です。

我が家は「にしたんクリニック」を利用しました。ここを選んだ理由は、

  • 自宅で検査可能で楽だから
  • 英文の証明書を取得可能だから
  • 比較的安いから(証明書、送料込みで税込22,660円)

です。

私たちが調べた限りでは、証明書込で4〜5万円かかるところが多かったので、それと比べれば格安ですよね。自宅で受けられるという簡易さがちょっと不安ではありましたが、看護師さんとビデオ通話しながらの検査(唾液の採取)で安心でした。

証明書は翌日にメールで取得でき、紙の証明書も数日後に郵送で送られてきました。

指定ホテルの予約

ルワンダ入国後は、空港で受けるPCR検査の結果が出るまで、政府の指定するホテル(designated hotels)で約24時間待機することになり、入国前の予約が必須となります。価格は3食付きで1泊30〜200USD。私たちはThe Nestという1泊65USDの所に泊まりましたが、二人目以降は30USDだったので、ふたりで合計95USDでした。Booking.comなどの旅行サイトでは通常の旅行者用の値段が表示されているので、直接メールなどで問い合わせましょう。

Passenger Locator Formの入力

陰性証明書を取得して、ホテルを予約できたら、「Passenger Locator Form」を入力します。これはルワンダ政府が渡航者のフライト情報や滞在先、陰性証明書データなどを管理するためのもの。

Passenger Locator Form

入力が完了したら、確認のメールが送られてきます。ここに自分のID(Case Unique ID)も送られてくるので、空港でチェックされる時にすぐ見せられるようにしておきましょう。

ルワンダへの入国

私たちは成田空港からエチオピア航空を利用。成田のカウンターからすでに入念なチェックがあり、ANA(エチオピア航空と提携)の職員の方が各国の必要事項が書いてある紙を見ながら、「ルワンダですね……陰性証明書はお持ちですか?」「フォームの記入はお済みですか?」「ホテルは予約済ですか?」と確認してくれました。国ごとに入国の条件は違うので、逐一確認しなければいけない空港スタッフの方々は大変ですよね。。

自分たちのフライト(定刻20:40)以外ほぼ欠航でした。おそろしい。。

事前に何度かフライトの変更があったものの、韓国のインチョン(いちど降りて荷物検査後また機内にもどる)、エチオピアのアディスアベバ、ブルンジのブルンジ(機内で待機)を経由して無事にルワンダに到着。

到着するとすぐに防護服を来てタブレットをもった職員さんに、「Passenger Locator Form」のIDを聞かれました。が、ここでトラブルが発生。妻のIDは検索したら出てくるのに、ぼくのIDはなぜか登録されていないことになっていたんです。なのでその場で再登録してもらって、先に進みました。パスポートコントロールを過ぎたらPCR検査。費用は60USD(検査代50USD+空港への特別送料10USD)で、事前にオンラインで支払うかその場で現金で支払います。

おなじみのオエッと来る検査を受けて、荷物を受け取ったらホテルのスタッフが迎えに来てくれていたので、その車に乗って宿に向かいました(送迎代も込みの宿泊費でした)。

なお、空港では現地のニュースで話題になっていたコロナ対策ロボットにようやく会うことができました!

ルワンダのコロナ対策ロボット

ぼくたちは通り過ぎただけですが、このロボットで問診や検温をおこなうことで人と人の接触を減らすことができるようです。こういうところにもテクノロジーを取り入れているのが、「IT立国」を目指すルワンダらしいですね。ちなみにロボットには一体ずつ名前がついており、この子の名前は「AKAZUBA」で「小さな太陽」といった意味。名前があると愛着がわきますね!

PCRの結果が来ない……?

空港を出てホテルへ移動中に、PCR代支払い完了のメールが来て、SMSでは「PCR検査の受診ありがとうございました」というメッセージが来ました。ただしSMSは妻の分のみ。あれ、自分のは……?と訝しみつつもホテルにチェックイン。

宿ベランダからの夕焼け

ベランダで夕焼けを見たりしながらまったり過ごしました。食事はスタッフさんが運んでくれるので部屋で。疲れていたので21時頃には寝ていましたが、22時ごろには「陰性でした」という旨のSMSが届いていました。しかし、これも妻の分のみ

翌朝になっても自分の分の連絡は来ないため、PCR検査の問い合わせ窓口となっている番号に電話とSMSを送信。何度かかけてもつながらず、昼過ぎになり「もしかしたら陽性だったのかも……」と不安になっていたところに折り返しの電話が。先方からは「PCR Test Resultのサイトから確認してみて」とのこと。

空港で受けたPCR検査の結果を自分で確認できるサイトがあるのですが、実はすでにそこでも確認済でした。検査のIDと電話番号を入力して調べるんですが、ここでも妻の結果は表示されるのに自分の分は「電話番号が間違っています」という表示が出てきてしまいます。それを伝えると、「電話番号の国番号に『+』をつけずにもう一回試してみて」と。電話を切って、サイトで入力し直してみたもののやはり結果は表示されず。ダメだったことを報告しようと、さきほどの問い合わせ窓口に電話してみたもののまたつながらず。。

これじゃ埒が明かないと思い、宿のスタッフに相談してみたところ「RBCの連絡先を知ってるから確認してみるよ」と力強い返答が。そして1時間ほど待っていたら無事に「陰性だったよ!証明書をプリントアウトするね」という連絡をもらいました。やっぱり現地でのトラブルは現地の人に頼るに限る……!助けてくれたスタッフさんには本当に感謝です。これで無事に自宅まで帰り、コロナ禍の一時帰国を終えることができました。

ちなみに証明書を見てみたところ、やはり電話番号が間違っていました空港で口頭で言って職員に入力してもらったことが原因ですね。そもそも口頭で言う羽目になったのは、Passenger Locator Formがなぜか登録されていなかったから。空港でぼくの前に並んでいた人も、登録したはずのフォームが出てこなかったっぽいので、わりとよくあるエラーなのかも。そんなときはその場で再登録してもらえるので、登録情報が間違っていないかのチェックさえ入念にすれば大丈夫です!

まとめ

こんな感じで最後にトラブルはありましたが、無事にルワンダ〜日本間を往復することができました。とはいえ、コロナ前よりは間違いなく大変でしたし、自分が感染源になってしまう可能性もあるので、よほどの事情がなければ海外渡航は避けたほうが良いと思います。

最近はワクチンが開発されたようですが、一日も早くコロナが終息して、安心して旅行できる世の中が来るといいですね。体に気をつけて、元気に過ごしましょう!

※出入国の条件などは当時のものです。かならず最新情報をご自身でご確認ください。