ルワンダ旅行に海外旅行保険は必要?~クレジットカード活用術~

タケダノリヒロ( @NoReHero

あなたは海外に行くとき、「海外旅行保険」に入っていますか?

いまや「アフリカ一治安の良い国」となったルワンダですが、それでもケガや病気、貴重品の紛失など、なにが起こるかはわかりません。海外旅行保険には加入しておくことを強くおすすめします(当社アフリカノオトのツアーに参加される方は、必ずご加入ください)。

とは言え、できるかぎり出費は抑えたいもの。そんなときに便利なのが、クレジットカード付帯の海外旅行保険。じつは年会費無料でも充実した補償を受けられるものもあるのです。

原則は保険会社の海外旅行保険への加入をおすすめしますが、すこしでも節約したいということであればクレジットカード付帯の保険を利用することもひとつの手です。

でも、ほんとうにクレジットカードの保険で大丈夫なのでしょうか? 実際に起きた事例をまじえながら、保険会社の補償内容との違いやデメリット、注意点などについてご説明します。

海外旅行保険の価格・内容比較

まずは保険会社が提供する海外旅行保険を見てみましょう。価格ドットコムで各社の内容を比較することができます。

【検索条件:「アフリカ、9日間、1名」 順序:価格が安い順】

保険

傷害死亡 傷害後遺障害 疾病死亡 治療・救援費用 賠償責任 携行品 航空機寄託 その他
au損保(ブロンズ) 3,163円 500万円 500万円 500万円 1,500万円 1億円 30万円 10万円
エイチ・エス損保(P1) 3,290円 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1億円 30万円 10万円 オプションで「航空機遅延費用」の特約が追加可能
au損保(シルバー) 3,805円 1,500万円 1,500万円 1,500万円 2,500万円 1億円 30万円 10万円
エイチエス損保(P2) 3,990円 2,000万円 2,000万円 2,000万円 治療:3,000万円
救援: 2,000万円
1億円 30万円 10万円 オプションで「航空機遅延費用」の特約が追加可能
損保ジャパン日本興亜(PA) 4,070円 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1億円 30万円 10万円 オプションで「航空機遅延費用」の特約が追加可能
ジェイアイ傷害火災 4,280円 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1億円 30万円 1万円 緊急歯科治療10万円、弁護士費用等100万円、テロ等対応(日額)1万円
(略)
AIG損保(インフィニティゴールドプラン個人) 10,520円 3,000万円 3,000万円 1,000万円 無制限 1億円 30万円 緊急歯科治療費用10万円、旅行事故緊急費用5万円
あいおいニッセイ同和損保(タイプC) 11,460円 3,000万円 3,000万円 3,000万円 3,000万円 1億円 50万円 10万円 緊急歯科治療あり、弁護士費用100万円、テロ等対策費用10万円

最安値から最高値まで抜粋しています。安いものは3000円台~、高いものだと1万円前後になりますね。

では、クレジットカード付帯の保険だとどのくらい補償してもらえるのでしょうか。年会費無料で加入できる「エポスカード」、「楽天カード」を例に見てみましょう。

保険料 傷害死亡 傷害後遺障害 疾病死亡 治療・救援費用 賠償責任 携行品
エポスカード
(自動付帯)
無料 500万円 500万円 傷害:200万円
疾病:270万円
救援:100万円
2000万円 20万円
楽天カード
(利用付帯)
無料 2000万円 2000万円 200万円 2000万円 20万円
自動付帯」「利用付帯」とは?

クレジットカードの海外旅行保険には、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。

  • 自動付帯 = カードを持っているだけで海外旅行保険に自動的に入るもの
  • 利用付帯 = ツアー代金や公共交通機関の料金をクレジットカードで支払わなければ、海外旅行保険が適用にならないもの

保険会社の商品とのいちばんの違いは「疾病死亡」が補償されない点。病気で亡くなった場合、クレジットカードでは補償金を受け取ることができないということですね。

それ以外の項目では、数十万~数千万円と一見十分な額が支払われるように見えますが、どの項目でどのくらいの金額が補償されていれば十分かなんてわからないですよね。

海外旅行保険 支払い事例

そこで、実際に保険金が支払われた事例を見てみましょう。

クレジットカードでもカバーできる例

エイチ・エス損保のサイトから引用します。地域を「アフリカ」に絞って表示されたすべての事例です。

エイチ・エス損保、アフリカでの補償適用事例 出典:海外旅行保険のたびとも | 旅行先でのトラブル事例

項目としては「治療費用(ケガや病気の治療にかかったお金」と「携行品損害(盗まれたり壊されたりしたもちもの)」が適用されています。もっとも高額な「ケニア・治療費用」の例でも、頭部打撲と切傷による搬送費用・治療費用・通訳雇入費用で約50万円です。

この程度であれば、治療費用が100万円~200万円ほど出るクレジットカードの保険でも十分カバーすることはできますね。携行品損害も、20万円を超えてくることはなかなかないでしょう。

クレジットカードではカバーできない例

しかしながらもっと高いお金が必要になる場合もあります。三井住友海上のサイトから引用します。

国名 事故状況 支払保険金額
ベトナム
(ホーチミン)
くも膜下出血で倒れる。即時シンガポールへの移送が必要と医師に診断され、同日中に看護師付添のもと医療専用機で移送。 約1,000万(病気)
アメリカ
(ニューヨーク)
脳梗塞で倒れ、入院。1ヵ月後、医師の判断に基づき、看護師付添のもと日本の病院へ移送された。 1,000万円以上(病気)
中国
(大連)
バス乗車時に足を踏み外して、後頭部を強打し、意識不明。通常のフライトでは気圧が悪影響を及ぼす恐れがあり、医師の判断に基づき医療専用機により都内の病院へ移送された。 約250万(ケガ)
イタリア
(ローマ)
暴漢に襲われ、頭部打撲、脳内出血2ヵ月の入院の後、医師の判断に基づき、看護師付添のもと日本の病院へ移送された。 1,000万円以上(ケガ)

参考:海外旅行保険の保険金お支払い事例|海外旅行・留学の保険なら三井住友海上の海外旅行保険 :

このレベル(1000万円)になると、クレジットカードの保険ではとてもカバーしきれません。くも膜下出血、脳梗塞、脳内出血などの重症にともない「国外移送」が発生していることから高額になっていると考えられます(中国のケースでは意識不明という重体ながら、移送先が都内であるため250万円程度におさまっていることから)。

ルワンダでは暴漢に襲われて暴力をふるわれるというケースはまれであり、くも膜下出血や脳梗塞レベルの重大な病気が発症するということもいつも健康に暮らしている人の場合は考えにくいですよね。

とは言え、深刻な状況におちいってしまう可能性はゼロではありません。たとえばタクシーに乗車中に他の車に突っ込まれて大怪我をしてしまったり、最悪の場合は亡くなってしまったりする可能性すら念頭に置く必要があります。

そんな有事に備える安心料として考えると、海外旅行保険代の数千円~1万円も決して高くはないのではないでしょうか。

まとめ

ルワンダで旅行者の方々をお迎えすることもあるわたしとしては、ぜひとも保険会社の海外旅行保険に加入していただきたいのですが、よほどのことがないかぎりはクレジットカード付帯の保険でも十分対応可能です。

タイプ別おすすめ基準

  • 「重度のケガや病気により、国外搬送が必要」などのケースが心配な方→ 保険会社の海外旅行保険
  • 「日常的に起こり得るケガや病気をカバーしたい」という方 → クレジットカード付帯の海外旅行保険

海外旅行保険が付いているクレジットカードをまだお持ちでないかたには、「エポスカード」(自動付帯)か「楽天カード」(利用付帯)をおすすめします。どちらも年会費無料!

自動付帯、年会費無料の【エポスカード】

利用付帯、年会費無料の楽天カード