タケダノリヒロ( @NoReHero)
ルワンダ観光でマウンテンゴリラツアーと並んで人気が高いのが、アカゲラ国立公園(Akagera National Park)のサファリツアー。
ルワンダ政府も「BIG5(ライオン、ヒョウ、ゾウ、バッファロー、サイ)」のいるサファリとして国を挙げて推しているほか、各種メディアがルワンダを「訪れるべき国」とする要因にもなっています。
CNNが選んだ「2018年に訪れるべき国18選」でルワンダがランクイン(日本からは長野が選出)。
火山風景やマウンテンゴリラツアー、ビッグ5が見られるアカゲラ国立公園、年中過ごしやすい気候などが評価されています。https://t.co/nkSHMv1Uub@CNNTravelさんから— ルワンダノオト (@Rwandanote) December 29, 2017
しかし、2年間ルワンダに住んでいて、まわりの日本人から聞いた感想は「ほとんど動物がいなかった」「タンザニアのセレンゲティやンゴロンゴロの方が良かった」「ただのドライブだった」という散々なものばかり。
そんな「動物に会えないサファリ」という印象だったアカゲラですが、実際に行ってみると意外と多くの動物たちに出会うことができました。
それに加えて、日中に眺められる「千の丘の国」の風景と、満天の星空のもとでのキャンプ。
ルワンダを訪れる方全員に強くおすすめしたいと思えるほど、素敵な体験ができました。
Contents
アカゲラ国立公園(Akagera National Park)とは
アカゲラ国立公園は、ルワンダ北東部に位置する国内有数の観光地です。首都のキガリからは車で2時間半程度。
東のタンザニアとの国境になっている「アカゲラ川(Akagera river)」が名前の由来。
ルワンダ観光局のサイトによると、アカゲラで見られる動物はこんなにたくさん。
草食動物:ゾウ、バッファロー、シマウマ、サイ、キリン
アンテロープ類:トピ、ウォーターバック、ローンアンテロープ、エランド、ダイカー、オリビ、ボホール・リードバック、クリップ・スプリンガー、ブッシュバック、インパラ
霊長類:アヌビスヒヒ、ベルベットモンキー、ブルーモンキー、ガラゴ(ブッシュベイビー)
大型捕食動物:ヒョウ、ハイエナ、ヨコスジジャッカル、ライオン
+500種類近い鳥
参考:REMARKABLE RWANDA
ライオンは、2015年に5頭のメスと2頭のオスの計7頭が南アフリカから「お引っ越し」。ガイドによると現在は19頭まで増えているそうです。
とは言え、1122平方kmに19頭とすると、1頭あたりの面積は約60平方km。
つまり1頭あたりの面積だけで考えると、
「アカゲラでライオンに会える確率」は、「東京ディズニーランド内(0.5平方km)でミッキーに会える確率の120分の1」
ということになります(もしミッキーが本当に1人しかいなくて、自由に動き回っているならば)。
なので、アカゲラでライオンに会えなくても仕方ないですよね。むしろ見れたら相当ラッキーだと思いましょう。
このほか、サイも2017年に南アフリカから導入。1970年代には50頭以上いたサイが、乱獲により2007年以降はその姿を確認できていませんでした。
今回の導入により、アカゲラはBIG5の揃うサファリとなったんですね。
意外とたくさん見れた動物たち
「BIG5が揃っている」とは言われているものの、実際に訪れた人たちからは「動物はほとんど見れなかった」という前評判が。
しかし、実際に行ってみると意外にも多くの動物たちに会うことができました。
1日目は午後3時ごろから、2日目は朝9時ごろからそれぞれ2~3時間のゲームドライブ(ガイドさんやドライバーさんと相談して決められます)。
動物たちも人間と同じで暑いのが嫌いなので、比較的涼しい(陽が強くない)時間帯に多くの動物が見られるとのことでした。
いちばんよく見かけたのがシマウマ。
ガイドさんは「こんなにシマウマが多いのは珍しいよ!ゼブラ・パーティーだね!どう?おれのガイドすごいだろ!」と誇らしげでした。
私は以前タンザニアのセレンゲティ、ンゴロンゴロ、タランギーレで、大量のシマウマやキリン、そしてBIG5もすべて見れたのですが、それと比べるとアカゲラは圧倒的に動物が少ないです。
しかし、だからこそどんな動物でも発見できると格別にうれしく感じられるんですね。
インパラ、ウォーターバック、トピなどのアンテロープ類にもたくさん会えました。
ほかにもサルや、ライオンキングに出てくる「プンバ(イボイノシシ)」も。
「アフリカのサファリ」と言うと、遮るもののない一面の大草原をイメージしがちですが、ルワンダは「千の丘の国」。
アカゲラでは、そんなルワンダならではの美しい丘が連なる景色を眺めることができ、ドライブだけでも十分来る価値があると思います(たとえ大して動物が見れなくても!)。
「BIG5いないねー」と話していた1日目の終わりごろ、ようやく1頭目が!
ゾウと遭遇。
やっと会えたー。これはうれしい!むしろタンザニアでたくさん見れたときよりもうれしいかも。
ゾウさんとお別れしてハッピーな気分で1日目を終了。
2日目は幸先よくバッファローと出会えました。これでBIG5は2種類目。
水辺に移動すると、あくびをするカバが!近くてすごい迫力。ワニっぽいものも見れました(水面から目だけ出してた)。
大きな動物のほかにも、意外と楽しめたのが鳥の種類の豊富さ。
隣国ウガンダの国旗に描かれているホオジロカンムリヅルがうじゃうじゃいた他、見たこともない鳥がたくさん。
このほかにも目の覚めるような鮮やかな青い毛をもつ鳥や、かわいらしい黄色い鳥なども。バードウォッチング目的でも楽しめますね。
印象的だったのがこちら。木の枝の先に、アーティスティックな玉のようなものがぶら下がっています。
最初見た時は「なんだろう?」と思ったのですが、ハタオリドリ(Weaver bird)の巣でした。鳥が草を運んできてくちばしで上手に結んで巣をつくるんです。
なんと芸術的な……。動物ってすごい。
結局、BIG5のうち出会えたのはゾウとバッファローのみ。ライオン、ヒョウ、サイは見つけられなかったほか、普通にいそうなキリンにも会えませんでした。
しかしながら、「なかなか動物に会えない」という難易度の高さが、逆に動物を発見した時の喜びを高めてくれます。
「絶対にこの目で動物を見たい!」という方にはあまりおすすめできませんが、「見られるか分からないけれど、そのワクワク感を楽しみたい」という方には持って来いのツアーです。
湖と星空が輝くサイトでキャンプファイヤー
アカゲラ国立公園内にはホテルもありますが、お金持ちの外国人向けなのでお値段はそこそこ高め。
つつましいボランティア(青年海外協力隊)である我々は、グランピングにも心を惹かれつつもキャンプ泊を選びました。
でも、キャンプサイトに着いた瞬間にこの選択は大正解だと実感。
丘の上から湖を見渡せる眺めがとにかく最高でした。
キャンプサイトの周囲はフェンスが張られているので、動物に襲われる心配もありません(もうひとつのキャンプサイトにはフェンスがないという噂)。
到着したらすでにテントも立てられていました。
男3人で使いましたが、十分すぎるほどの広さ。テント代には寝袋やマット、ランタンなどは含まれないので持参する必要があります。
炊事場はありませんが、キャンプファイヤーのできるスペースや小さなかまどが数個設置してあり、水道も地下水をポンプで汲み上げて自由に使うことが可能。
火おこしに使う薪も置いてあります。
テントは既に立ててあったので楽でしたが、前日まで数日にわたって雨が降っていたせいで枝や葉っぱが湿っており、火をつけるのが大変でした。
マッチやライターのほかに、ロウソクがあると便利です(火を絶やさないようにするため)。
キャンプサイトには炊事場や調理器具がないため、料理は簡単にできるものがおすすめです。
我々はホットドッグやトースト、スモア(焼いたマシュマロとチョコをクラッカーで挟んだもの)などをつくりました。
鍋やフライパンを使わないので楽ちんです。持って行ったのはスイスナイフ(アーミーナイフ)、アルミホイル、紙皿くらい。
あと、お酒を持っていくのを忘れずに!(隣の団体はガイドに注文していましたが、公園内で買うとたぶんかなり高いです)。
日が落ちるとまわりには灯りがまったくないので、見上げると満天の星空。日本のプラネタリウムで見るよりよっぽど綺麗です。流れ星もたくさん見れました。
朝は青年海外協力隊のコーヒー隊員がいたため、生豆をその場で焙煎してコーヒーを淹れてもらいました(ポットなどは持参)。
ゲームドライブも楽しかったですが、気の置けない仲間たちと美しい自然を満喫できたこのキャンプがなんだかんだ一番楽しかったかも。
料金・予約方法・ホテルなど
私が2017年12月に利用した際の料金はこちら。
- 事前にツアー会社に支払い(利用する会社によって異なります)
- サファリカー代(2日間、ドライバー兼ガイド料込、7名で利用)500ドル
- 当日アカゲラ受付で支払い
- レンタルテント代20ドル/tent
- キャンプサイト代25ドル/person
- 当日入園料ノンレジデント36ドル(レジデント25ドル)
ホテル
アカゲラ国立公園では、キャンプではなくロッジ泊・ホテル泊も可能です。
Akagera Game Lodge
トリップアドバイザーAkagera Resort and Country Club
Ruzizi Tented Lodge
ルワンダにお越しの際は、アカゲラ国立公園での野生動物との遭遇や、星空のもとでのキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか。