【更新 2018/02/09】 タケダノリヒロ( @NoReHero)
Mr.Childrenが、2018年1作目となる配信限定シングルを発売しました!
タイトルは『here comes my love』。フジテレビ系ドラマ『隣の家族は青く見える』の主題歌として書き下ろされた曲です。
『足音』や『Starting Over』を思い起こさせる、ミスチルらしい力強いロックバラードに仕上がっていますね。
この記事では、歌詞の意味や、曲が製作された背景、PV(ミュージックビデオ)の意味についてまとめています。
楽曲制作の背景
Mr.Childrenは2017年に結成25周年を迎えました。それを祝して敢行した全国ツアーはバンド最大規模の70万人を動員。
Mr.Children | Mr.Children、here comes my love | TOY’S FACTOR
それ以降、長期の制作期間に突入しています。アルバム『REFLECTION』以降に、桜井さんが書き溜めたデモを、バンド4人で音を出しながら1曲1曲を磨き上げているとのこと。
『here comes my love』はその第1弾。活動開始から四半世紀を超えてもなお日本の音楽シーンの最前線を走り続ける彼らの「今」が詰まっています。
妊活ドラマ『隣の家族は青く見える』主題歌
この曲が主題歌となっているドラマ『隣の家族は青く見える』のテーマは「妊活」。
深田恭子が家の購入を機に妊活を始める女性を演じ、その妻と共に妊活に向き合う夫役を松山ケンイチが務めます。
このドラマの舞台となっているのが「コーポラティブハウス」。さまざまな家族が自分たちの意見を出し合いながら作り上げる集合住宅のことです。
ドラマのなかでは、子どもが欲しいカップル、子どもが欲しくない女性とバツイチ男性のカップル、子どもと理想の家族像に執着する主婦と会社を辞めてしまった夫のカップル、男性同士のカップルなど、それぞれ現代的な悩みを抱えた家族が暮らしています。
ほかの家族の様子がすぐ近くで見えるからこそ「隣の芝生は青く見える」状態になり、トラブルに発展していくんですね。
『here comes my love』はこのドラマのために桜井さんが書き下ろしたもの。ということは、歌詞の内容もストーリーとリンクする部分があるはずですよね。いったいどんな意味が込められているのでしょうか。
家族の歌
「妊活」ドラマの主題歌であることを考えると、この曲の歌詞も「新しい命の誕生」や「家族・夫婦間の愛情」がテーマになっているように思えてきます。
もちろん、がっつり「生命の誕生は素晴らしい」とか「夫婦の愛は美しい」ということが最初から最後まで歌われているわけではありません。
が、たとえばこんな連想をすることも可能です。
飲み込んでおくれ
巨大な鯨のように
あぁ僕は彷徨うピノキオの気分だ
→「母親のお腹のなかにいる胎児」
夢見た未来を波がさらっていっても
この海原を僕は泳いでいこう
→ 望んでいるのになかなか子どもを授かることができない状態
「泳いでいこう」「君に辿り着けるように」
→ 着床を目指して泳いでいく精子
「海」「海原」
→ 羊水、母親
……まあ何の根拠もないんですけどね。桜井さんの歌詞の場合、メタファー(隠喩)を使って表現することが非常に多いのでこういう解釈も全然ありえると思います。
いちばん印象的だったのが、こちらの歌詞。
あって当然と思ってたことも
実は奇跡で
数え切れない偶然が重なって
今の君と僕がいる
引用:Uta-Net
「家族」がテーマだとすれば、「あって当然と思ってたけど実は奇跡だったこと」は「結婚相手とめぐり会えたこと」や「子どもを授かったこと」だと考えられますよね。
ずっと一緒に暮らしていると感じられないありがたさや安心感は、離れてみてはじめて気づいたりするもの。
このドラマの登場人物たちも「妊活」が容易なことではないという事実を受け止めつつ、ハッピーエンドに向かっていくのでしょう。
歌詞の全体を通してストーリーにするのではなく、それっぽいキーワードを散りばめつつ、「夫から妻へ」「親から子へ」「子から親へ」というどんな視点から見ても解釈できてしまうように構成されているため、いろんな立場・いろんな状況の人が感情移入することができますね。
タイトル『here comes my love』の意味
曲のタイトルである『here comes my love』。直訳すると「私の愛がやって来た」ですが、桜井さん風に言うと「ほら、ごらん ここに僕らの愛が」って感じですかね。
ドラマの展開からこのフレーズの意味を考えると、こんなシチュエーションが浮かびました。
・苦労の末、ようやく子どもを授かった夫婦
・生まれたばかりの子どもを抱きかかえた夫が、辛い出産を乗り越えた妻に向かってひとこと
・「やっと会えたね(here comes my love)」
「my love」は「私たち夫婦の愛しい子ども」とも捉えられますからね。
※あくまで個人的な解釈です。
「here comes my love」、あなたはどう考えますか?
Music Short Film(2月8日公開)
【追記 2018/02/09】
2月8日に公開されたMusic Short Film。10分ほどの映画仕立てになっています。補聴器をつけた初老の男性が、ある女性との幼少期からの想い出を振り返るというもの。
「この手を離さないように」「僕の心の灯りは 今も君を照らしています」など歌詞の内容とリンクしたことばや、ジャケットに描かれている馬が登場しています。女性が警察に捕まえられ、引き裂かれるというストーリーになっていますが、なぜそうなってしまったのかこの「Short Film」からは全容が分かりません。完全版が出るのか、それとも今後の楽曲につながっていくのか、これからに期待ですね。
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