映画『ドラえもん のび太の大魔境』(1982年、3作目)と、そのリメイク版『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』(2014年、34作目)のレビューです。
映画のあらすじや感想、旧作と新作の違いについて。
ジャイアン好きにはたまらない作品!
※後半ネタバレありです
あらすじ
まずは映画のあらすじから。
『日本誕生』などの作品とは違って、ストーリー的には旧作と新作で大きな違いはありません。
- ジャイアンとスネ夫が夏休みは魔境探検に行こうと提案
- のび太とドラえもんが衛星写真から魔境探しを始める
- のび太がうす汚れているもののどこか品のある野良犬・ペコと出会う
- 野良犬がのび太に付いてきて、ザイール付近(現在のコンゴ)で巨神像のある衛星写真を発見する
- 出来杉からそこは「ヘビー・スモーカーズ・フォレスト」だと教えてもらう
旧作ではこれが出来杉の映画初登場。以降、物語の序盤で背景説明の役割を担う(が、決して冒険には連れて行ってもらえないあたりが不憫な出来杉くん)
- のび太たちはどこでもドアで石像の100km手前地点まで行き、冒険開始
- スリルを出すため「猛獣さそいよせマント」をジャイアンにつけ、猛獣をおびき寄せる
- 一同はスリル満点の冒険に満足するが、ジャイアンだけは不機嫌に。冒険は止めると言い出す
- その夜、家で寝ているジャイアンのもとに巨神像が表れ、冒険を続けるよう説得。地図を渡す
- ジャイアンは冒険を続けようと一同を誘う。リアルな冒険をするため、猛獣と戦うためのひみつ道具はすべて空き地に置いていく(スモールライト、桃太郎印のきびだんご、ショックガン、スーパー手ぶくろ)
この一見無茶なジャイアンの言動が後に重要な伏線となるんです。
- 改めて冒険に出発
- ライオンやワニに襲われたり、原住民に追われたりと度重なるピンチに遭遇しジャイアンは責任を感じる
- 難所をくぐり抜けると、ペコが突然二足歩行になり、日本語でバウワンコ王国の王子・クンタックであることを告白
- 王国は悪い大臣ダブランダーに支配されているという
- みんなでダブランダーを倒し、王国に平和を取り戻すことに
じつはペコは犬の国の王子様だったんですねー(突然犬が二足歩行で話し始めるとかホラーw)
感想
この作品で印象的だったのがふたつ。ジャイアンの葛藤と活躍。そして、ゲスト声優の良し悪しです。
ジャイアンの葛藤と活躍
【ネタバレ度 ★☆☆】
この『ドラえもん のび太の大魔境』および『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』は、ジャイアンの存在感が光る作品となっています。
2度目の冒険に出かけようと言い出したのもジャイアン、さらに便利なひみつ道具を置いていこうと言ったのもジャイアン。
そのせいで一同はものすごく危険な目に遭ってしまいます。しかもどこでもドアまで壊され(旧作ではワニに食べられ、リメイク版では神成さんに壊される)、家に帰れないという事態に。
それによってジャイアンは「全部おれのせいなんだろ!」とみんなの前では逆ギレしたように振る舞うものの、夜ひとりになると「どうすればいいんだー!!」と慰めてくれるペコに向かって号泣。
ジャイアンって意外と繊細なんですよね…。
いよいよダブランダーたちとの対決に乗り出しますが、のび太たちは敵の古代兵器に追い詰められてしまいます。
そこで、みんなはもとの世界へ帰ってくれと言い、ひとりで戦いに挑もうとするペコ。
みんなは悩みますが、そこで最初に立ち上がりペコを追いかけるのがジャイアン。
ここからしばらくセリフなしのシーン。より感動的になっていたのはやはりリメイク版ですね。
ペコはジャイアンに「なんで付いてきたんだ!」と言い、それに対してジャイアンはペコを殴り「友だちだろうが!」というようなことを言います(セリフなしだけど、おそらくそう言っている)。
このシーンで挿入歌『友達』が流れ、「だれが歌ってるんだろう?」と思ったらまさかのジャイアン役の木村昴さん。
歌が超絶下手なジャイアン役の声優さんはプロの歌手だったんですねw
その後、のび太、ドラえもん、しずかちゃん、そして最後まで迷っていたスネ夫も合流し、改めてみんなで戦いに挑みます。
このシーンは泣ける…。
ゲスト声優の良し悪し
【ネタバレ度 ★☆☆】
もうひとつ印象的だったのが、ゲスト声優(リメイク版のみ)。
ダブランダー配下の親衛隊長・サベールが旧作以上に存在感を増していました。
そして、その初登場ひとこと目の声があまりにも渋く、思わず「かっこええ…!!」と言ってしまうほど。
誰が演じているのかというと、小栗旬さんでした。いい声してる…。
この配役は個人的にはとても良かったと思います。
ただ、ほかの作品でもそうですが、ゲスト声優っていまいちハマらないことが多いですよね。
出てきた瞬間に、「うわ、なんか違う…」と思ってしまいます。仕方ないけど。
本作で言えば、リメイク版で登場したダブランダーの家来(ブルテリ&バーナード)役のCOWCOWのふたりと、スピアナ姫役の夏目三久さん。
夏目三久さんはアナウンサーとしてはすごく好きなんですが、やっぱり声優としてはちょっと違和感が…。声はもちろんキレイなんですけどね。そう考えるとプロの声優さんってすごい。
COWCOWのふたりが「当たり前~」って言いながら逃げていくのはちょっと笑いましたw
ということで、『ドラえもん のび太の大魔境』および『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』は、ジャイアンの繊細さと力強さを味わえる、ジャイアン好きにはたまらない作品でした!
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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『映画ドラえもん のび太の日本誕生』怖い?泣けるリメイクあらすじ・感想