ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
モザンビークで実施された水の防衛隊研修に参加してきました。
ルワンダに派遣されて以来、ずっと考えていた「ボランティアだからこそ出来ることってなんだろう」という疑問。これに対する答えのヒントをこの研修から得ることが出来ました。が、ぼんやり見えてきたからこそ余計に分からなくなっちゃった気も。ようやく迷路の入り口に立てたような感覚です。
まあそれも1つの成果ということで、課題を整理してみました。
ボランティアだからこそ出来ることとは?現場視点と俯瞰的視点、喜びと誇りについて。
研修で気づいたこと
赴任から半年が経ち、改めてもっと住民のことを知りたいと思って始めた家庭訪問。そこで「水・衛生環境の改善がぼくの仕事だよ」と言うと、必ず「水が欲しい、水道を増やして欲しい」と言われます。
みんなが水で困っているのは知ってるんですよ。でも、水が欲しいって言われても魔法みたいに水をぱっと出せるわけでもないし、水道を増やしてって言われてもどうしたらいいかなんて分かりません。
そんな風に困っていた時にちょうど今回の研修が。モザンビークのニアッサ州というところで、JICAの技術協力プロジェクト、通称「技プロ」の成功事例とされる現場を視察することが出来ました。
井戸の維持管理に関わる方々の話を聞く Photo: Shogo Nakashima
そこでは各分野の専門家が、現地のカウンターパートと住民を巻き込みながら多大なる時間と労力をかけて問題解決に取り組んでいました。
「おれはひとりでこれをやろうとしていたのか…。こんなの出来るわけないじゃん…」
と、正直凹みました。なんてバカだったんだろうと。経験豊富なプロでさえ、総力を結集して取り組んでいるのに、素人の自分ひとりでやろうなんてとんだ思い上がりでした。
でも、視察できたおかげで、給水施設を村に作って利用するまでの行程をなんとなくイメージすることが出来ました。ひとりでやろうなどと思わずに、関係機関を巻き込みながら進んでいきます。
ボランティアだからこそ出来ること
ボランティアだからこそ出来ること。正解はありませんが、いま挙げられるのは「しがらみのなさ」です。
ルワンダの水に関わる機関は縦割りになっており、横のつながりが非常に薄いので、日本とルワンダ、行政と民間、郡庁とセクターなど上下左右にしがらみなく動いて繋ぐことの出来る外国人ボランティアという特性を活かしていきたいと思っています。
専門家の仕事は専門家にまかせて、ボランティアとして自分の力を最大限発揮できる居場所を見つけていきます。
今後やるべきこと
そのために必要なのが、「現場視点」と「俯瞰的視点」の獲得。
現場視点に関してはいま実施している家庭訪問を通して、住民の実態の把握に努めます。
俯瞰的視点の獲得とは、政策や水・衛生関連の機関に対する理解を深めるということです。ルワンダがどんな目標に対してどんなアプローチを取っていて、どんなアクターがどのように関わっているのかということをもっと具体的に知る必要があると感じています。
この2つの視点を合わせることによって、自分のポジショニングも見えてくるかなと。
住民の喜びと誇り
今回の技プロ視察で印象的だったのは、新設されたハンドポンプの維持管理に関わっている方々の誇らしげな笑顔です。
JICAが技プロで支援している村の人々 Photo : Shogo Nakashima
水は人間の尊厳に関わります。満足に水を得られなければ、トイレを綺麗に使うことも出来ないし、洗濯できずに汚れた服を着続けなければいけません。水汲みも必要になり、そのせいで時間も労力も割かれてしまいます。
そんな貴重な水を、これからは自分たちの手で守っていくんだという地域の方々の誇りを感じました。
これからは、自分の地域の方々が喜んでいる姿を思い浮かべながら、水へのアクセス向上に取り組んで行きます。
タケダノリヒロ(@NoReHero)