今日も水の使用状況調査のため、散歩してきました。
いま取り組みたいと思っているこの村の問題は、安全でない水や衛生環境が原因で罹る、下痢をはじめとする病気の予防、それからマラリアの予防です。
今日の収穫は、また一人頼れそうな仲間が増えたこと、「予防したくても出来ない」状況があることが分かったこと、もっとルワンダ語しゃべりたいと思ったことです。どうすっかな……。
ピーターとの出会い
お金のない人たちが水を汲んでいるいつもの湧き水へ。そこに至る獣道への入り口で、いつも家を建ててるお兄ちゃんがいます。最近よく通るからか、「おー、ムズングー(外国人)!」と言って笑顔で近づいて来てくれました。名前はピーター。
※イメージ図
去年学校を卒業したそうなので、二十歳前後。セクターオフィスで働いているボランティアで、水や衛生関係の仕事をするんだと言うと、いろいろ教えてくれました。
「ノリ、今日もあの湧き水まで行くの?」
「うん。みんながどうやって水を使ってるか知りたくて。ピーターは水を飲む前に煮沸してる?」
「もちろんしてるよ。でもあの水どうにかして綺麗に出来ないのかな?めちゃくちゃ遠くて大変だし」
「そうだよね。タンク持ってこの坂道歩くの大変だよね。でも距離はどうしようもないし、近くにある水道は有料だから使えないんだもんね。水を綺麗にするには大もとの水源に薬を使うしかないんじゃないかな……。だからとりあえずは飲む前に煮沸するしかないよね」
「そうかー。やっぱり難しいよねー」
「でも煮沸しない人はなんでしないの?薪がもったいないから?」
「そうだね。この辺は木が少ないから、薪を拾うにはすごく遠くまで行かなきゃいけないんだ。」
「炭とかは使わないの?」
「炭なんて高くて使えないよ!」
「そうかー。やっぱりお金が足りないんだね。仕事もないのかな?」
「ぼくは獣医の勉強をしてて去年卒業したんだけど、仕事がないからいまは親がやってる建設を手伝ってるんだ。いまは仕事を探すのがほんとに大変だよ。」
「そうなんだ。やっぱり仕事を探すのも難しいんだね。もし何か困ったことがあったら教えてよ。セクターとかディストリクト(郡庁)とかに話すことは出来るから、何か出来るかもしれないし」
「うん。ノリも言ってくれたら村を案内したりするから、いつでも頼ってね。今日は雨上がりで坂道もぬかるんでるから気をつけて!」
なぜここの獣医さんたちはこんなにも良い人ばっかりなのか……(↓過去記事参照)。
ピーターと連絡先を交換して別れました。これだけ普通に英語がしゃべれて学校も出ている若者でさえ、仕事がないんです。安全な水を手に入れられない背景には、仕事が無い、お金が無い、資源がない……などさまざまな要因が絡んでいました。
この状況で、いくら「水は飲む前に煮沸しましょうね」と言ったところで「出来るんならとっくにやってるよ」と言われて終わりです。ただ単に面倒だからとか、知識がないからといった理由だったら良かったんですが、やっぱりそんなに簡単にはいきませんね。根は深い……。
それでも元気な子どもたち
湧き水に向かって坂道を下りて行くと、言ったそばから薪を運ぶ子どもたちに遭遇。
村を歩いていると毎日のように見かけます。今までは「こういうもんなんだろうな」としか思ってませんでしたが、ピーターと話をして、すこしだけ見方が変わりました。
湧き水では、今日も子どもが水汲み。
人見知りで、話しかけてもあまり答えてくれません。
「家までどのぐらいかかるの?」
「……一時間ぐらい」
「遠いね!一緒に家まで行っていい?ちょっと見てみたいんだけど」
「オヤ(だめ)」
断られました。でもこの辺の人たちが暮らしてるところも実際に見てみないとな……。またチャレンジしてみます。
こういうジェリー缶と呼ばれる容器に入れて運んでいます。
これ、そのまま飲めますか?
谷底まで降りて、今日は初めて湧き水を挟んで反対側の斜面を登ってみることに。そこにも狭い斜面に無理やり畑が作られていて、働くお母さんや遊んでいる子どもたちがいました。
学校で英語を習っているらしく「ホワッツヨアネーム?」とか「ハウアーユー?」とか聞いてくれます。ぼくらからすれば大変な暮らしも、この子たちにとっては当たり前なんでしょうね。撮られたばかりの自分の写真を見てキャッキャ笑ってました。
この子たちのお母さんに水や病気について聞いてみましたが、やっぱりルワンダ語だけだとほとんど分かりません。たまに知ってる単語が出てくるぐらい。こんなにたくさん話してくれてるのに……。勉強します。
どんなこと考えてるのかな。
タケダノリヒロ(@NoReHero)