タケダノリヒロ( @NoReHero)2016年12月26日 更新:2017年12月20日
国民の9割以上がキリスト教(※)であるルワンダ。
キリスト教 94.3%(プロテスタント 50.2%、カトリック44.3%)
イスラム教 2%
その他 0.9%
無宗教 2.5%
2016年のクリスマスは現地の人々の家にお邪魔していっしょに食事をし、教会に行ってきました。
日本ではお祭り騒ぎになるクリスマスですが、ルワンダではどんな過ごし方をするのでしょうか。
サンタクロースを知っている人はおらず、恋愛も無関係と、日本人からするとびっくりな5つの事実もまとめました。
Contents
ルワンダで過ごすクリスマスイブ
ホストファミリーと
クリスマスイブは、ホストファミリー(※)に招待していただきました。
私はひとりで暮らしていますが、ブログを通じてこの村を訪れてくれた日本人の方々には、ルワンダ人の家庭にホームステイ体験をしてもらっています。「ホストファミリー」は、その受け入れをしてくれている家族のこと。
家の中にはクリスマスの飾りやイルミネーションなどもなく、食事もほぼ普段どおり。クリスマスだからって特別なパーティをするわけじゃなく、教会に行くぐらいなんですね。
プレゼントを買うのもひと苦労。
首都のキガリでいろいろ見て、お母さんにはハンカチセット、長女には扇子、まだ学生の次女にはボールペンとノート、長女の娘にはアルファベットのパズルをプレゼントしました。
ルワンダでは12月26日が「Boxing day」という祝日になっていて、その日にプレゼントを開けるらしいので、反応は分からず。
でもこれまでに泊まってもらったゲストたちの写真を入れたアルバムはすごく喜んでもらえました。
カトリック教会でのミサ
教会では夜にミサがおこなわれてました。夕方くらいからおめかしして集まっていた子どもたち。
これがぼくの家の隣にあるカトリック教会。写真の左に見えるドーム型のツリーは、キリストが産まれた馬小屋を表してるそうです。
ミサは夜9時過ぎまで続き、子どもたちも遅くまで起きてました。日本の大晦日のような雰囲気。
神父さん宅でパーティ
ミサが終わってから、神父さん(うちの大家さん)たちの家に招待してもらいました。
なにをするのかよく分かりませんでしたが、とりあえず行ってみると大量のシスターがw
自分だけが明らかに浮いていて「なにこの状況w」と思ってしまいましたが、みなさんほんとにウエルカムで、楽しい聖なる夜を過ごせました。
ここで出た食事はかなり豪華でしたが、それでもチキンやケーキがあるわけではなく、いつものルワンダ料理でした。
旨いけど飽きる!でも旨い!ルワンダの食事・レストラン・カフェ事情
最後に神父さんたちからクリスマスカードもいただきました。ご利益ありそう。
ルワンダで過ごすクリスマス
25日は聖歌隊をやっているホストファミリーに誘われて、朝から教会へ。
宗派のことなど全然知りませんでしたが、彼らはプロテスタントらしく、昨日行ったカトリックの教会とは別の場所に行きました。
バンドの生演奏に合わせて歌う聖歌隊。
ホストファミリーのお姉さんは聖歌隊のリーダーを務めていて、ひとりで歌ったり演説したりしてました。
「ハレルヤ!!!」というと、まわりが「アーメン!!!」と返すんですが、それを何回も繰り返して、最後にはテンション上がりすぎて絶叫してました。ちょっとこわかったです。
プロテスタントの教会って、どこの国でもこういうものなんでしょうか。とりあえずみんな楽しそうでした。
日本のクリスマスとの違い
ルワンダでのクリスマス。やっぱり日本の浮かれた感じとはだいぶ違いました。その5つの違いについて。
クリスマスのあいさつ
日本では「メリークリスマス!」というのが一般的ですが、ルワンダでは英語で「Merry Christmas」というよりもルワンダ語で「Noheli nziza(”Happy Christmas”の意)」というほうが多いです。
「Noheli」はフランス語「Noël」に由来する「クリスマス」を指す言葉。ルワンダはもともとベルギーの植民地でフランス語教育がおこなわれていましたが、2009年から英語教育に切り替わっています。
そのため、若者は英語が話せるけど、30代後半辺りより上の世代はフランス語の方が得意で英語はほとんどしゃべれないという人が多いです。
クリスマスとお正月はセットらしく、「Noheli nziza」に合わせて「Umwaka musha!!(Happy new year)」も言われています。気が早い。「よいお年を」的な使い方なんでしょうね。
「クリスマスっぽいもの」がない
ルワンダではイルミネーションも、ケンタッキーのチキンも、クリスマスケーキも、「クリスマスっぽいもの」を一切見ませんでした。唯一見たのは、神父さん宅にあった小さいクリスマスツリーくらい。
日本人としてはすこし寂しい気もしましたが、教会に行ってお祈りをして、歌って踊って、家族や近所の人たちと過ごす。本来はそれだけでも十分なのかもしれませんね。
クリスマスと恋愛は無関係
日本では「クリスマス=恋人と過ごす日」というイメージが定着していますが、ルワンダではまったくそんなことありません。
『恋人はサンタクロース』で日本のそんな風潮を後押ししてしまったユーミン、反省の弁。
彼女は「自分でいうのもなんだが」と前置きして「“恋人がサンタクロース”というフレーズが社会への呪縛のようになったかも」「クリスマスをそういう風な日にしてしまったかもしれなくて。反省してもはじまらないんですけど」と振り返った。
引用元:Excite news
なるほどねー。たしかにここルワンダでは「クリスマス=恋人と過ごす日」なんて通念はまったくないもんな。
ユーミン『恋人がサンタクロース』を反省 「社会の呪縛になった」 – エキサイトニュース(2/2) https://t.co/iUhHK4Syit @ExciteJapanさんから— タケダノリヒロ@アフリカ・ルワンダ (@NoReHero) December 24, 2016
ポップカルチャーの影響力ってすごいですね。
サンタクロースはいない
神父さんをはじめ、村で何人かのルワンダ人に「ルワンダではサンタクロースっているの?」と聞いたんですが、そもそもみんなサンタクロースを知りませんでした。
もしかしたら呼び方が違ったりするだけかもしれませんが、お父さんがサンタさんに扮して夜中にこっそりプレゼントを準備するみたいな文化は、少なくとも農村部ではないようです。そもそもプレゼントをあげられるほど裕福な家庭も少ないですし。
ただし、首都のキガリでは、サンタさんの帽子を被っているお店の人たちを見かけたりもしました。数年して国がもっと豊かになれば、先進国のように派手にお祝いをするようになるかもしれませんね。
ボクシング・デー(Boxing day)とは
前述の、プレゼントを開封する「ボクシング・デー(Boxing day)」には、こんな意味もあります。
クリスマスも仕事をしなければならなかったバトラーはじめ、使用人達に翌日、家族と過ごさせるための休日で、この日は一家の者達は使用人に頼らず自分で全ての家事をしなければならない。また当日、主人が箱に贈り物を入れて彼らに配った。他、クリスマスにクリスマス・カードやプレゼントを届けてくれた郵便配達員にも、労いの意を込めて26日(当日が日曜日の場合は27日)に箱入りのプレゼント(Christmas box)をする。
引用元:Wikipedia
プレゼントを届けてくれる配達員がいるから、一般市民はクリスマスを楽しめるんですよね。
2016年の日本のクリスマスには、こんな切ないニュースが話題になっていました。
佐川急便の配達員が荷物を投げて蹴って荒ぶってる動画がヤバイと話題に : ハムスター速報 https://t.co/XN8hQQaeIl @hamusoku
— ハム速 (@hamusoku) December 26, 2016
お客さんの荷物を乱暴に扱うのは当然ダメですが、Amazonがこれだけ普及してしまうと配達員は大変ですよね……。どうか佐川男子にもボクシング・デーを。
ルワンダの田舎では、日本みたいにイルミネーションとかクリスマスツリーとかクリスマスソングとかはいっさいない。けど普段はシャイなルワンダ人が3割増しで陽気に「メリークリスマス!」と言ってくる。ガチなキリスト教社会のクリスマスがどんなか楽しみ。いいねクリスマス。
— タケダノリヒロ@アフリカ・ルワンダ (@NoReHero) December 23, 2016
日本ほどの派手さはありませんでしたが、ルワンダ人もみんな幸せそうで、楽しいクリスマスでした。
よいお年を!