寿命、若年出産、水、自殺率…数字で見るルワンダ&東アフリカ共同体

ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。

他国で活動する同期隊員から、「こんなデータがあるよ」と教えてもらったWHOの世界保健統計2016年版。こういう同期の存在はほんとありがたい。

平均寿命や子どもの死亡率など、各国ごとのデータがまとめられています。

この中で気になった項目をピックアップして、東アフリカ共同体6カ国(ブルンジ、ケニア、ルワンダ、南スーダン、ウガンダ、タンザニア。略称EAC)と日本の数値をグラフ化してみました。

改めて見てみると、アフリカ諸国と日本との大きすぎる差にため息が出ます。

引用元:World Health Statistics 2016: Monitoring health for the SDGs-Annex B: tables of health statistics by country, WHO region and globally

平均寿命

現在のぼくの両親ぐらいの年齢が、EACでは平均寿命になっています。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.06
(年齢, 2015年)

妊産婦死亡率

これは次の項目「助産専門技能者の立ち会いによる出産比率」と関連がありそうです。

助産専門技能者(助産師さん?)の立ち会いが多い国ほど死亡率が低い傾向に。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.10
(100,000人あたり, 2015年)

助産専門技能者の立ち会いによる出産比率

日本は100%。ルワンダも91%とかなり高い比率ですが、他国はまだまだ低い水準にあります。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.13
(%, 2006~2014年)

5歳児未満の死亡率

南スーダンでは、1,000人中92人の子どもが5歳になるまでに亡くなっています。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.16
(1,000人あたり, 2015年)

マラリア発症例

蚊がこんなに怖い存在だとは、ルワンダで暮らすまでは分かりませんでした。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.18
(1,000人あたりのリスク, 2013年)

自殺死亡率

他の面ではこんなに恵まれているのに、一番自殺率が高いのは日本です。

環境が良いからといって幸せだとは限らないということを改めて考えさせられます。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.20
(100,000人あたり, 2012年)

若年出産率

南スーダンやウガンダでは、10人に1人以上の割合で10代後半女性が出産しています。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.23
(15~19歳の女性1,000人あたり,2005~2015年)

安全でない水・衛生環境に起因する死亡率

これはぼくが主に協力隊で改善に向けて取り組んでいることですが、ルワンダは他EAC諸国と比べるとマシな方なんですね。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.25
(100,000人あたり,2012年)

整備された衛生環境の使用率

これはちゃんとしたトイレなどの設備が使えるかどうか。ルワンダの地方の場合は、水洗トイレを使えるほど水がないので、穴を開けただけのいわゆる「ぼっとん便所」が多いです。

南スーダン7%は想像を絶する低さ。現地がどうなっているのか気になります。

スクリーンショット 2016-06-11 7.54.28
(%, 2015年)

まとめ

上記9項目の一覧です。青が7カ国の中では比較的良い状態、赤が比較的悪い状態を表しています。

 

WHOデータ抜粋一覧

日本は自殺率以外ほぼ完璧。ぼくの任国ルワンダも、EACの中で見れば全ての項目で最も良い結果となっています。

逆にほとんどの項目で最悪の数値となったのが南スーダン

どんな国だろうと思って少し調べたら、2011年にスーダンから独立したばかりのまだ若い国でした。

スーダンとの国境紛争やクーデターで政情が不安定になり、平和基金会が発表している失敗国家(世界で最も脆弱な国家)ランキングでは、2014年・2015年の2年連続で1位となっています(※)。

※参考:Wikipedia

外務省の安全情報では、首都のジュバ市がレベル3(渡航中止勧告)、その他南スーダン全土がレベル4(退避勧告)に指定されていて、行くことすら出来ない状況です。

アフリカと言えど、その情勢には国によって大きなギャップを感じますね。

今回データをグラフ化したことで、東アフリカの現状を少しだけはっきりと把握することが出来ました。

しかし、せっかくルワンダに住んでいるので数字はあくまで指標として、実際の生活がどうなっているかを自分の目で見て、人と話して、理解していきたいと思います。

タケダノリヒロ(@NoReHero