タケダノリヒロ( @NoReHero)【追記 2019/08/05】
ルワンダのお隣、コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の流行が日本でもニュースになっていますね。
「これからルワンダに行く予定があるんだけど、ほんとに大丈夫かな?」と心配されている方も多いことでしょう。
結論から言うと、現在(執筆 2019年7月26日、追記 8月5日)のところルワンダ渡航は問題ありません。現にわたしも首都のキガリに住んでいますし、ほかの日本人にも退避するような動きはまだ出ていません。
では、いったいどんな状況なのか。なぜ大丈夫と言えるのか。そのあたりを詳しくお伝えしていきます。
Contents
コンゴ民・ルワンダにおけるエボラの状況
ルワンダの西側に位置するコンゴ民主共和国では、これまでに1,621人が死亡したとされています。
AU to deploy more healthcare experts to tackle Ebola crisis | The New Times | Rwanda
6月中旬にはお隣のウガンダでも、エボラによる死亡者がでています。
ウガンダ、2人目のエボラ患者死亡 コンゴの死者1400人超に 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
こうなると、「同じくコンゴ民と接しているルワンダも危ないんじゃないの!?」と思ってしまいそうですが、ウガンダにエボラが拡大してしまったのはウガンダの方々がコンゴ民に「お見舞い」に行って戻って来てしまったからなんですね。
エボラ熱がウガンダに拡大したきっかけは、幼い子どもたちのいる一家と子守の計6人が、親族の看病をするためコンゴを訪問したことだった。この親族はその後、エボラ熱で死亡した。
とはいえ、ルワンダ〜コンゴ民間の国境も封鎖されているわけではなく、現在も人の行き来がある状態です。
国境では体温検査がなされていますが、エボラには潜伏期間があるので国境通過時は大丈夫でもルワンダに入ってきてから発症してしまう、という可能性はなくはないでしょう。
ルワンダのエボラ対策
しかしながら、交通量や人の往来が激しいにもかかわらずルワンダはエボラの発生を防いでおり、その対策がWHO(世界保健機関)によって称賛されています。
上記ツイートで引用した地元紙New Timesの記事によると、詳細な国家準備計画、早期発見と対応のための保健医療従事者訓練、コミュニティ教育、危険度の高い地域で保健医療従事者にワクチン接種、医療施設の整備、シミュレーション演習の実施など、さまざまな対策が取られているとのこと。
さらに、エボラ治療センターが設立され、15の優先地区の病院に23の隔離ユニットが準備されていると言われています。
WHOに称賛されるほど対策が取られていると聞くと、すこしは安心できますよね。もちろんすべての情報を鵜呑みにすることはできませんが。国民を不安にさせないため、また国に悪いイメージをつけないために、都合の悪い情報が伏せられているという可能性もなくはないので。。
自分でもできる!エボラで気をつけること
では、最後に個人レベルで気をつけるべきことを見てみましょう。さきほど紹介したNew Timesの記事によると、
•エボラ発生による影響を受けた地域への不必要な移動を避けてください
•エボラ感染地域から来ている場合は、最寄りの検診所にすぐに報告してください
•エボラの疑いがある場合は、フリーダイヤルで保健省の114、警察の112、地域保健従事者または最寄りの医療機関に報告してください
•エボラの被害を受けた地域から来た人を知っている場合は、直ちに112で警察に、114で保健省に、最寄りの地方自治体または地域保健従事者に報告してください
•感染者の血液や体液と接触した可能性のある、血液や体液との接触を避けてください
•エボラの犠牲者の体や、未知の供給源からの肉との接触を避けてください
•エボラの症状を持つ患者と接触しているか、エボラの既知の症例の葬式に出席したすべての人に、緊急医療処置のため最寄りの医療機関に直ちに報告するように勧めてください
•随時石鹸ときれいな水で手を洗ってください
が大事だそうです。
我々にできる対策は「コンゴ民主共和国の国境付近(ルワンダ西部)に近づかないこと」そして「石鹸ときれいな水で手を洗うこと」ですね。
1000人単位で死者が出るような恐ろしい感染症も手洗いで防ぐことができるなんて驚きですよね。手洗いすごい。
エボラに関する情報を見る際には、外務省の「海外安全ホームページ: 危険情報詳細 」を参考にすると良いでしょう。
こちらの情報では、コンゴ民主共和国が「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に、アンゴラ,ウガンダ,コンゴ共和国,ザンビア,タンザニア,中央アフリカ,南スーダン,ブルンジ,ルワンダが「レベル1:十分注意してください」となっています。
先日コンゴ民がレベル2に引き上げになったように、他国でも警戒レベルが上がる可能性はあるので、引き続き注意が必要ですね。
ちなみにルワンダ在住日本人には、在ルワンダ日本大使館から安全情報などのメールが来るようになっています。
いまのところ「退避が必要」などの連絡は来ていませんが、ツアーを開催してお客様を受け入れる立場なのでしばらくは安全感度マックスでいなければと思っているところです。
これからルワンダ渡航をお控えの方、いまのところは問題ありませんが、100%安全というわけではありませんので、ご自分でよく調べて、お考えになったうえで渡航されることをおすすめします……!
続報①(追記 2019/08/01)
8月1日午前中にコンゴ民主共和国との国境が封鎖されましたが、午後には早くも解除されました。
ルワンダの国務大臣Olivier Nduhungirehe氏は、国境封鎖は「技術的問題」による一時的閉鎖だったと語っています。
国境封鎖は解除されたものの、スクリーニングは強化されたようです。
続報②(追記 2019/08/05)
日本でもエボラ感染の疑いがある患者がいたというニュースが出て、結果陰性だったのですが、それにともなって「エボラ出血熱は『空気感染』しません」という注意が厚労省から呼びかけられました。
厚労省「エボラ出血熱は『空気感染』しません」 誤情報拡散で注意呼びかけ(J-CASTニュース) – Yahoo!ニュース
エボラ熱について解説する厚労省ウェブサイトでは、感染経路として「エボラ出血熱の患者(エボラウイルスに感染し、症状が出ている者)の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)やその体液等に汚染された物質(注射針など)に触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染します」とした上で、
「一般的に、症状のない患者からの感染や、空気感染はしません」
と空気感染を否定している。
厚労省「エボラ出血熱は『空気感染』しません」 誤情報拡散で注意呼びかけ(J-CASTニュース) – Yahoo!ニュース
「症状のない患者からの感染や、空気感染はしない」のですね。
つまり、感染するとしたらすでに発症している人(=インフルエンザのような症状の人)の体液などが、自分の傷口や粘膜から入ってくる必要があるということ。
それを考えると、ルワンダ国内にいてもよほどのことがなければ感染することはないと言えそうですね。
続報があればまたお伝えします。
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