このルワンダ情報サイト『ルワンダノオト』を運営している、タケダノリヒロです。
今回はタイガーモブさんのプログラム(後述。タケダはアドバイザーとして協力)で出会った大学生の田中優花さんに、ルワンダ滞在で感じたことを記事にしてもらいました。
国際協力に興味をもったきっかけ、ルワンダを選んだ理由、現地での気づきなどをありのままに書いてくれています。いったいどんな2週間だったのでしょうか?
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こんにちは!初めまして。今年で大学二年生になる田中優花といいます。
2019年の春、「タイガーモブ」というアジア新興国やアフリカなどの35か国、合計250件のインターンシップを紹介している会社のプログラムに参加してきました。ルワンダが舞台の「STARTUP AFRICA 4th Bach」です。
「アフリカの奇跡」と呼ばれるルワンダを舞台に、ビジネス視察と現地企業でのインターンシップを合わせたハイブリッド型プログラム「STARTUP AFRICA」。アフリカの社会・経済・文化の理解を深めつつ、ハードルの高い現地企業の課題解決やゼロイチでの起業体験に挑戦!知力・体力・行動力全てが試される13日間
引用元 – STARTUP AFRICA in Rwanda 5th Batch – 激動の大陸を駆け抜ける13日間| 海外インターンシップならタイガーモブ(タイモブ/Tiger Mov)
この紹介文の通り、二週間という限られた時間を最大限に使って、ルワンダという国のことを知り、そしてその課題解決に挑戦するという、とてもハードで、でもそのハードさ以上に勉強になるプログラムでした。
寄稿の経緯
さて、私がこうして『ルワンダノオト』に記事を書かせていただけている経緯についてですが、これは本当にラッキーだったとしか思えません。
このサイトを運営しているタケダさんとは、プログラムの4日目にお会いしました。
ルワンダの情報を下調べしていたときには、ほとんど全てといっていいほど「ルワンダノオト」がヒットしていたため、もともとタケダさんの名前は知っていました。
お会いできるということを初めて知ったのは、プログラムのオリエンテーションの時。それを聞いたときは「え、あのタケダさんに会えるの?」と本当にびっくりしました。
初めてお話しできたときは、有名人に会うみたいで内心とても緊張していました。運よく移動のバスで座席が隣になり、お話をすることができたときのことです。
SNSで発信することが苦手で、発信力のなさについて悩んでいた私に、「ルワンダノオトに書いてみない?」という言葉をかけてくださいました。
それがきっかけでこうしてルワンダノオトに参加させて頂くことができました。ありがとうございます。
そして、この文章を読んでくださっている皆さん。拙い文章ではありますが、わたしがルワンダという国で気づけたことを、「あ、こんなこと見てきたんだな」と思ってもらって、1つの情報として受け取って頂ければ嬉しいです。
なぜルワンダだったのか?
まず、なぜわたしがルワンダに行こうと思ったのか。このプログラムには、飛び込むような形で参加したというのが正直なところです。
小学生の時に見た、ユニセフの募金を訴える映像に映った、がりがりの子供たち。彼らの様子を見たときに、ショックをうけたのがきっかけで、国際協力に興味を持ち始めました。
大学もその道に携わりたいと考えていたために、国際関係学科という世界のことを幅広く知ることができる学科に進んだものの、いくら勉強したりニュースで情報を集めていたりしても、はっきりした見通しは全く持てていませんでした。
国際協力って言ってるけど、そもそも自分に「何ができるの?何をしたいの?」と聞かれても何も言えない。
こうした、国際協力のスタートラインにも立てていないことへの焦りがずっとありました。
その焦りの中にいたときに、出会ったのがこのプログラムです。
国際協力の必要な場所としてのイメージの強い、でも話にしか聞いたことのなかったアフリカ。さらにその中にあるルワンダという、小さな国が舞台のそのプログラムに、とても強い魅力を感じました。
また、ルワンダについての私の知識は虐殺の歴史が多くを占めていました。
しかし現在は「アフリカの奇跡」と言われるほどの発展を遂げていることを知り、その実際の様子を確かめてみたいという思いもあって、ルワンダに行くことを決意したのです。
ルワンダで得た気づき
以前からもっていた、子供たちのために何かしたい、そして教育の力で何かしたいという想い。今回のルワンダではそのヒント探しのために日々を過ごしました。
ビジネス中心のプログラムで、起業のための施設やIT関係の企業など、教育とはあまり関係のなさそうな場所が多かったです。でも「ルワンダの教育で何が一番課題なのか?」ということをを知るために、隙きあらば教育について質問しまくっていました。
今から考えると少し迷惑だった気もしますが、みなさん本当に丁寧に答えて下さって、ルワンダの教育事情には少しだけ詳しくなることができました。
ある時、NPO法人「Think About Education in Rwanda (ルワンダの教育を考える会)」のルワンダオフィスでお話を聞いたときのこと。
「ルワンダの教育で何が課題だと思うか」という質問に、「必要最低限のことしか経験できず、選択肢を知らないこと」という答えが返ってきました。
日本では数学、英語、国語などの必須科目以外にも音楽、美術、体育などのような副教科が充実しています。
こんなこと言ったらいけないかもしれませんが、勉強がそんなに好きではなかった私からすると、必要最低限の科目ばかりだったらちょっと息がつまります笑
副教科は、そんなときにちょっとした息抜きになったり、楽しみになったりするんじゃないでしょうか?
でも、ルワンダではそうした副教科のための道具などが充実していないことや、授業時間が圧倒的に足りないこと、運動をするにもグラウンドがとても狭いなどのたくさんの事情があり、あまり積極的には副教科の授業がされていないのが現状です。
でも、それではなんだかもったいない。
学校という場所で、必要最低限のことのみではなく、何か少し生活を豊かにするようなものを経験できることは、子どもたちにとってとても良い機会になるのでは、とわたしは思います。
シングルマザーの夢を聞いて気付いたこと
ルワンダで、わたしがもう一つ知りたかったのは、ルワンダの人たちがどんな夢を持っているのかということ。
ルワンダの日本食レストラン「キセキ」さんで働く、スラムに住むシングルマザーたちのお宅を訪問するツアーに参加したときです。
案内してくれたお母さんに、「あなたの夢は?」と質問をしてみました。
すると、彼女はこう答えてくれました。
「自分のレストランを持ちたい」
彼女たちのくれた答えに、はっとしました。彼女は自分の働いているレストランという世界を見て、その夢を抱いたのではないか?
誰かの可能性を広げるためには、その人の知っている世界を広げることが必要なのではないか?
「夢を聞くだけじゃなくて、彼らにモデルを見せてあげられることのほうが大事じゃないかな?」というタケダさんの言葉でも、その気づきへの確証を強くすることができました。
悲しいことに、夢を叶えるのは簡単ではないし、現実はそんなに甘くないというのも事実です。自分の好きなことを仕事にするのは本当に難しいし、たくさん課題もあります。
でも、夢があるから頑張れることもたくさんあるのではないでしょうか。実際、画家になりたいと言っていたスラムの男の子は絵を書くことが色々なことへの原動力になっているようでした。
自分のレストランを持ちたいと言っていたシングルマザーも、ビジネスの勉強をするために頑張っている、と言っていました。
そんな彼らを見て気が付いたのは、
「知っている世界を、人は自分の夢に、そして自分の選択肢にすることができる可能性がある」
ということ。
知っている世界を広げれば、その人の可能性も広げることができる。
ごく当たり前のことではありますが、これはわたしのルワンダでの一番の気づきでした。
そして、今回のルワンダでの2週間を通して、私は自分のスタートラインに立てたような気がしています。
私は、教育の力で誰かの世界を広げて、選択肢を作りたい。
これもまだまだ漠然とした目標ではありますが、きっと、ルワンダに行かなければ気付けませんでした。
このゴールを指針として、今後は移動図書館などの活動を視野にいれて勉強して行こうと思っています。
まとめ
今回のルワンダでの二週間を通して、普通に旅行しただけではできないような経験、素晴らしい人達との出会いを得ることができました。関わることのできたすべての方々に感謝しています。
今回の学びを通して得たものを必ず将来に活かしてけるように、これからも頑張っていきます。
※子供たち!みんな写真が大好きで、どこでならったの?って感じのポーズを決めてくれました笑
おしまいに、「ルワンダノオト」という素敵な場をお借りして文章を書くことができて、本当に光栄でした!
最後までお読み頂き、本当にありがとうございました!