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アフリカ・ルワンダ在住者の【音楽×読書×生き方・はたらき方】ブログ

小沢健二『ぼくらが旅に出る理由』歌詞の意味・引用曲・カバー~遠距離恋愛と世界とのつながり~

time 2017/04/06

4月。新生活が始まった人も多いのではないでしょうか。

そんなときに聴きたくなるのが、小沢健二の『ぼくらが旅に出る理由』(1996年)。

きょうはこの曲の歌詞の意味について考えてみました(主観的な深読みもおおいに含みます)。

『ぼくらが旅に出る理由』歌詞の意味

メインメッセージとタモリさん

この歌は「遠くまで旅する恋人」に向けられた歌ですが、恋人以外の近しい人を見送るときに聴いてもぐっと来ますよね。

息子が社会人になって上京してしまったときとか、同僚が転職していなくなってしまったときとか。

小沢健二さんは2014年に『笑っていいとも』の最終回直前に16年ぶりのテレビ出演を果たし、「タモリさんとスタッフのみなさん、長い間おつかれさまでした」とこの歌を披露。

隣でニコニコしながら聴いているタモリさんの顔を観て、「タモリさんも新たな旅に出るんだなあ」となぜか全然関係ないぼくまで泣きそうになってしまいました。

あふれる幸せを祈るよ

サビの歌詞。

遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ

いきなり話が逸れますが、「私のことどれくらい愛してる?」という質問に答えるのってものすごくめんどくさいですよね(聞かれたことないけど)。

ここでは「どれくらい愛の大きさを示せるか」が回答のポイントになります。それくらい「たくさん」を表すのはむずかしい

それに引き換え「あふれる幸せを祈るよ」というフレーズは、ポップなメロディとあいまって、ギフトボックスからキラキラがあふれ出てくるようなイメージが一瞬で脳内に飛び込んできます。

「あふれる」というまさにありふれた単語で、これだけシンプルに「たくさん」を表しちゃうセンス。

このフレーズが好きすぎてもう。

旅に出る理由とは

曲のタイトルである「ぼくらが旅に出る理由」ですが、その「理由」について歌詞の中では明言されていません

ぼくらの住むこの世界では 旅に出る理由があり
誰もみな手をふっては しばし別れる

そりゃそうですよね。旅に出る理由なんて、人それぞれ違います。

だからこそ見送る人、見送られる人、進学する人、転職する人、留学する人…さまざまな立場の人がこの曲に共感できるんですね。

この曲を聴きながら旅に出て、「自分が旅をする理由はなんだろう」と考えることこそがこの曲のもたらす最大の効能かもしれません。

自分の取る行動に対する理由って、意外と自分自身ではわかってなかったりしますからね。

遠距離恋愛で愛は深まる

しかし、旅に出る理由は人それぞれと言っても、共通することだってあります。

たとえば「発見」と「成長」

2番まで歌詞を追っていくと、「摩天楼」という単語が出てくるので、「遠くまで旅する恋人」はニューヨークに行ったんだということがわかります。

そして君は摩天楼で 僕にあてハガキを書いた
「こんなに遠く離れていると 愛はまた深まってくの」と

ニューヨークの彼女から届いた「離れていると愛は深まってく」という手紙。

彼女は新たな環境に入り、近くにいては気づけなかった彼の大切さを「発見」し、もっとこの関係を大事にしていこうと「成長」できたのではないでしょうか。

世界のつながり

さらに「発見」と「成長」は、恋愛だけでなく、世界の捉え方にも及びます。

この曲を歌っている「ぼく」自身は、東京に残っていることになりますが、ニューヨークに旅立った「君」の姿を通して、自分と世界とのたしかな繋がりを実感するんです。

ぼくらの住むこの世界では 太陽がいつものぼり
喜びと悲しみが時に訪ねる

「ぼくらの住むこの世界では 太陽がいつものぼり」と言うとおり、朝が来て、夜が来て、また朝が来るという日々の繰り返しは、世界のどこにいても同じです。

ずっと同じ環境で暮らしていたら、そんなことなかなか気づけないですよね。

ぼく自身、いまアフリカのルワンダで暮らしていますが、ふとした瞬間に月や太陽を見て「こんなに日本から遠くに住んでるのに、やっぱり同じ世界なんだな」と不思議な気持ちになることがあります。

遠くから届く宇宙の光 街中でつづいてく暮らし
ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
誰もみな手をふってはしばし別れる

そして視点は「世界」から「宇宙」へと広がりを見せながら、また「街」へ。

日々、「暮らし」を営んでいるのは日本の人もニューヨークの人もルワンダの人も同じ。

そして「誰もみな手をふってはしばし別れる」んです。「しばし」ね。

お別れのときはもう一生会えないんじゃないかという気持ちにもなってしまいますが、「この世界」はどこまで行っても「この世界」です。

どこに住んでいても朝はやってくるし、喜びも悲しみもやってくる。

だから、「遠く」って言ったって大したことないよ、それより手をふって幸せを祈ろうよ、というのがこの曲のメッセージではないでしょうか。

『ぼくらが旅に出る理由』引用曲

オザケンさんは、メロディを洋楽から引用することが多いですよね(公言しているので「パクリ」ではない)。

『ぼくらが旅に出る理由』でもPaul Simonの2曲が引用されています。

Paul Simon – You Can Call Me Al

イントロが使われてます。

Paul Simon – Late in the Evening

間奏(1:50あたりから)が使われてます。

『ぼくらが旅に出る理由』カバー集

名曲であるがゆえに、フジファブリックや安藤裕子、Bank Bandなど多くのアーティストからカバーされています。

なんと倍賞千恵子さんもw(2015年の劇場アニメ『GAMBA ガンバと仲間たち』主題歌)

いや~、いい歌!

タケダノリヒロ(@NoReHero

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タケダノリヒロ

1989年生まれ。アフリカのルワンダでボランティア(青年海外協力隊)やってます。Africa Quest. comライターとしても執筆中。 音楽×読書×恋愛×生き方・はたらき方→『タケダノリヒロ.com』 ルワンダ情報専門サイト→『ルワンダノオト』 ※当ブログ記載内容はJICAおよび青年海外協力隊の見解ではなく、個人の見解です。 [詳細]