BOOK

H型人材・デザイン思考・スラッシュキャリア…21世紀に必要なスキル

青年海外協力隊としてルワンダに来てちょうど3ヶ月。

営業として働いていた会社を辞めてきて、2年後(協力隊後)の進路も決まっていない中で、「どんな人材になりたいのか?」という問いかけを常に自分にしています。

今回紹介するのは、そんな時に「H型人材」、「世の中にWHYを問いかけ続ける起業家」という指針を示してくれた本。『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(佐宗 邦威 クロスメディア・パブリッシング)。

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著者の佐宗氏はP&Gやソニーなどビジネスの最前線で身につけたビジネス思考と、イリノイ工科大学のデザインコースで学んだデザイン思考を合わせ持った方です。

本書を通してこれからの時代に必要なスキルや、それを身につける方法について考えてみました。

イノベーションに重要な3つのスキル

きっかけは海外メディアの面白い情報を厳選して伝えてくれるクーリエのこちらの記事。もともと気になっていたけれど、はっきりは理解していなかった「H型人材」について調べていてヒットしました。

ここで引用されていたのが本書です。

21世紀のイノベーションの世界で重要なスキルはデザイン、エンジニアリング、ビジネスの3つ。

•デザイン:人間の生活にとって理想的な姿を描く力(What to do)
•エンジニアリング:理想的な姿への解決策を実現させる力(How to make)
•ビジネス:解決策のインパクトを持続可能に最大化する仕組みを作り、人を動かしていく力(How to maximize)

これからの時代にはこれらのスキルを「越境」出来るH型人材が求められています。

専門性に加えて多様なジャンルの幅広い知見を併せ持つのがT型人材ですが、専門性と幅広い知見だけでなく「人と繋がりやすい」という特性を持つのがH型人材です。

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引用元:『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(佐宗 邦威 クロスメディア・パブリッシング)

この専門性を持つ人同士を繋げるというのは、下記の記事で書いている通り、まさにぼくが目指しているコーディネーターとしての能力です。

「地域コーディネーター」的な肩書き募集します!

「H型人材」は肩書きとしては使えませんが、自分の目指す像としてはしっくりきます。下記の説明文なんて、まるで青年海外協力隊のコミュニティ開発という職種で働いている自分を指しているようです。

人と人、会社と会社を繋ぎ合わせるハブとなっている人の役割はより大事になります。ある程度、人脈や知識の幅が広く、いろいろな背景の人と話ができたり、違うコミュニティで生きている人のことをよくわかっている人が、新たな組み合わせからイノベーションを生むのです。

その繋ぎをうまく進める上では、自分の専門性を持ち、他の人の専門性とつなぎ合わせるH字型人材の役割がより重要になります。

「人脈や知識の幅が広く、色々な背景の人と話ができたり、違うコミュニティで生きている人のことをよくわかっている人」。

ぼくは村のキーマンから子どもたちまで階級や年齢にかかわりなく関係を築けますし、彼らが知らない知識も持っています(マネジメント、マーケティング、IT関係など)。

村の中にも様々なコミュニティがありますが、ここで生活しているぼくは同じ目線に立って考えることが出来ます。JICAの事務所の人よりも、専門家よりも、外務省の人よりも、ここの人たちのことを一番理解できるのはぼくです。

だから「H型人材」になるために足りないものを得るうえで、この2年間の活動は自分にとって間違いなく有意義なものになると思ってます。

どうやって専門性を高めるか?

いまの自分に不足しているのは「専門性」です。自分自身に専門性がなければ、人と繋がったところで高いシナジー効果を発揮することは出来ません。ではどうやって専門性を高めればいいのか?

それを考えるうえでヒントになるのが「クリエイティブ・クラス」と「スラッシュキャリア」という考え方です。

クリエイティブ・クラス

「現代の魔法使い」こと落合陽一さんも著書『これからの世界をつくる仲間たちへ』の中で代替の効かない専門性を身につけることが重要だと語っています。そのような専門性をもつ知的労働者は「クリエイティブ・クラス」と呼ばれ、ホワイトカラーよりも上に位置づけられます。

クリエイティブ・クラスとして自分独自のテーマを見つけるための問いが下記の5つ。

・それによって誰が幸せになるのか。
・なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
・過去の何を受け継いでそのアイディアに到達したのか。
・どこに行けばそれができるのか。
・実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。

これらの問いに答えられれば、そのテーマには価値があることになります。

本書の詳細はこちらに。

魔法使いになる方法!これからの世界をつくる仲間たちへ/落合陽一【要約】

スラッシュキャリア

スラッシュキャリアとは、異なる専門性をかけ合わせて、唯一無二性が高く、市場価値の高いキャリアを構築することです。コーチングの神様マーシャル・ゴールドスミスらによって提唱されています。

ぼくのように営業というキャリアを積んでいる人は数え切れないほど存在します。でもこれが営業/コーディネーター/ルワンダ語となれば、世界に数人しかいなくなるはずです。このキャリアタグを持っている人材なら、例えば外資系企業のルワンダ進出コンサルティングにはうってつけですよね。

ひとつの専門性では価値がなくとも、3つ・4つとかけ合わせることによって、自分だけのフィールドを作り出すことが可能です。

参考:あなたのキャリアのタグを増やそう。「スラッシュキャリア」のススメ

H型人材から生まれる新たなキャリアパス

イノベーションの世界におけるキャリアの基礎能力がこのH型人材であり、そのスキルを持った人が就く職種は以下のようになります。

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引用元:『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(佐宗 邦威 クロスメディア・パブリッシング)

そこで出てくるキャリアパスを大きく分けると以下の3つ。

1 デザイン、エンジニアリング、ビジネスの交差点で生まれる新たな職業の出現
2 世の中にWHYを問いかけ続けるアーティスト的な起業家への道
3 デザイン、エンジニアリング、ビジネスのコラボレーションを促すプロデューサー

ぼくが目指したいのは2の「世の中にWHYを問いかけ続けるアーティスト(why to live)的な起業家」です。

世の中には仕事とプライベートは分けて考えたいという人も多いですよね。「飲みの席だから、今日は仕事の話は無しな!」っていう人も沢山います。ぼくはそれの意味が分かりません。いや、理解は出来ますが、共感は出来ません。

人生の大半の時間を費やすのが仕事です。だったら飲みながら話してて楽しいと思える仕事じゃなかったら時間の無駄じゃないですか?

ここで使われている「アーティスト」という言葉は次のように説明されています。

デザイナーが生み出すのが「解決策(答え)」であるのに対し、アーティストが生み出すのは「問いかけ」である

アーティストとは、他の人間にとってはまったく意味をもたない大義、けれども自分にとってはそれがすべてという大義を追求するために、自分自身の安寧や命さえ捧げることもめずらしくない人種である。

仕事=人生になるような生き方をしたいし、常に「why」を考えていたい。だからぼくはこんな人材を目指します。

ビジネスと社会貢献をミックスしてやってこうとしてる人間の肩書きが「アーティスト」だったら超胡散臭いですけどね。

デザイン思考を高めるコツ

ほかにもデザイン思考を高めるために役立つ情報があったので紹介しておきます。

「新しいことを考えだす人の時代」6つの感性

ダニエル・ピンク著、大前研一訳の『ハイ・コンセプト』が挙げている「新しいことを考えだす人の時代」における6つの感性。

共感、デザイン、物語、遊び心、全体の調和、意義

これらがイノベーションを起こせる人材になるために必要な要素だとされています。

発想を広げる4つの視点

自分が見ていた世界とは違う幅の世界に触れることで、発想を広げるための例。

・人間横断:自分とはまったく違う環境の人の生活や人生に触れる(共感)
・分野横断:共通項を持ちながらまったく違った分野での例に触れる
・地理横断:世界のまったく違った場所でおこっていることに触れる
・時間横断:歴史的な観点から時代を経ておこっている違いと共通点を知る

この4つの視点に関しても青年海外協力隊はぴったりですね。これほどこれからの時代の人材育成に有効なプログラムはそうそうないんじゃないでしょうか。

デザイン思考の実践方法9例

スタンフォード大d.schoolとIDEOの創業者デイビッド・ケリーの著書『Creative Confidence』の中で紹介されている、クリエイティビティを発揮するためのヒントです。

1 自分が創造力を持っていることを信じ続けることを強く決意する
2 日々、旅人のような気持ちで、周りの世界から新しい発見を探そうとする
3 常にリラックスし、周囲にオープンな雰囲気をつくりだす
4 ユーザーに寄り添い、共感しようとする
5 まず、現場に行って観察しようとする
6 「なぜ」を繰り返す
7 目の前で問題が見えていても、視点をずらして、本質的課題に置き換える
8 自分の創造力を応援してくれるネットワークをつくる
9 偶然の出会いを大事にする

これを『21世紀のビジネスに…』の佐宗氏が日常に取り入れている例がこちら。

1 身のまわりの小さいものでも、自分にいちばん合った形に工夫して作り変えてみる
2 日々、スマホのカメラで、面白いなと思ったものを写真で撮って残す
3 チームメートとのミーティングは、できるだけ「最近興味を持っていること」を最初に話す
4 アイデアを思いついたら身近な人にまず話してみる
5 二次情報を信じないで、会社を抜け出し現場に行って、人に聞いて判断する
6 現場の膨大な情報をブログに書いて発信し、それをネタに人に話す習慣をつける。説明するために「なぜ」を考えざるを得なくなる
7 いろいろな課題が見えてきたら、それを包括できるような大きな問いかけ「そもそもそれってなんでやるの?」を考え、チームメンバーに質問する
8 アイデアを思いついたら、「ポジティブに反応してくれそうな友人」2、3人にぶつけてから、他の人に話す
9 フィールドワークに行くときは、バッファを持って、その場で知ったこと、紹介してくれた人にその場で会いに行く

本書を読んで、自分も知らず知らずのうちにビジネス思考に染まっていることに気づきました。デザイン思考を日常生活から引き出していくことによって、新しいこと、面白いことを生み出していきたいですね。

まとめ

以上、「どんな人材になりたいのか」を考えてみて、「H型人材」「世の中にWHYを問いかけ続けるアーティスト(why to live)的な起業家」という方向性を見つけることが出来ました。

あたなはどんな人になりたいですか?

タケダノリヒロ(@NoReHero

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